アメリカの食卓に冷凍食品あり!を決定づけた大統領の鶴の一声

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

冷凍食品デー
(National Frozen Day)

調理済みないしは下ごしらえ済みの冷凍食品。

お弁当の惣菜から麺飯もの、野菜、デザートにいたるまで、いまや冷凍食品を含むレディミールなしに食生活は語れないほど、日本の食卓に浸透していますよね。

調理負担が少ないというメリットに加え、近年ではヘルシー志向も加味され、冷凍モノの需要は急拡大。

それは日本だけにあらずなようで、ビジネスコンサル会社Astute Analyticaの最新レポートによれば、冷凍食品の世界市場は2030年までに5044億ドルに達するとの予測も。

ところで、スーパーに並ぶ冷凍食品はこの100年のあいだに生まれたもの。では、誰がなんのために食品を凍らせることを始めたのでしょう?

と、その前に。

今日、3月6日はアメリカで「National Frozen Food Day」。普段なにげなく口にしているフローズンフードの歴史を学び知識を身につけ、いつもよりおいしくいただこうという一日だそうで。

ちなみに世界主要国のうち、アメリカの国民1人当たり冷凍食品年間消費量は、イギリスとともに1、2を争う消費大国で、日本のおおよそ倍の消費量にあたります。

では本題。

冷蔵庫、冷凍機の発明以前より寒冷地では、食料保存のために外気冷凍させる技術が用いられてきました。

けれど、食品を凍らせる工程は時間がかかると大きな氷の結晶ができてしまい、結果的に食品の品質や風味、さらには食感が悪くなってしまう。そこで、1920年代なかば、科学者らはより良い冷凍プロセスを模索し始めました。

ほどなくして、生物学者クラレンス・フランク・バードアイ2世によって新たな急速冷凍技術が生まれました。1927年に特許取得したそのプロセスは、食味を向上させただけでなく、彼を冷凍食品産業の“創始者”として一躍有名にすることに。

ただ、どんなに便利に調理されていても当時の冷凍食品は、オーブン内で加熱し食卓に提供されるまでにかなりの時間を費やさなければならなかったそうです。

より速く、より簡便に加熱する方法へと改良されるには、マイクロウェーブの電子レンジの登場を待たねばならなかったようで……。

70年〜80年代にかけ、ようやく電子レンジが一般家庭に普及し始めると、当時の大統領ロナルド・レーガンは1984年、「National Frozen Food Day」をアメリカの記念日として正式に制定。

アメリカ家庭の食卓にフローズンフードありが本格的に浸透し、さらに冷凍食品が発展していくキッカケとなったようですよ。

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