いま、天王星調査にNASAが躍起になっているワケ

1986年——。

それは私たち人類が、天王星に足を踏み入れた最初で最後の年。

他の惑星に比べ、あまり注目されてこなかった天王星に今、アメリカ宇宙航空局(NASA)大きな関心を寄せている。

その理由の一つとして科学者は、「天王星の謎を解くことが、太陽系の歴史の手がかりになるため」と考えているようだ。

NASAによれば、銀河系内でもっとも典型的な惑星を代表する星、それが天王星の可能性が高いんだとか。

銀河系には多様な性質の惑星が存在するなか、その基準値となるような星が存在していたということだろうか……。

けれどこの星には特異な磁場があり、もやの層で覆われ、そして驚くほど表面温度が低いことはわかっていても、いまだに解明されない点が多い。この天王星の謎の解明こそが、ひいては銀河系を理解するカギとなるようだ。

© National Geographic/Twitter

NASAはこれを今後10年の最重要課題として、2031年までに天王星へと向けて探査機を飛ばすミッション「Uranus Orbiter and Probe」を計画中。

小型探査機を送り込み、複数年に渡って天王星を周回、大気をサンプリングし、解析調査にあたるものとみられる。じつは、これと似た探査方法が過去に土星で実施されていたことがある。2004年〜2017年にかけて実施され成功を収めた「カッシーニ・ミッション」だ。

過去のケースのように天王星探査がうまくいくことに期待しつつ、同ミッションが成功した暁には、近い将来きっと宇宙のミステリーがまたひとつ明らかになることだろう。

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