アナタの中に潜む「内なるゴブリン」とは:英オックスフォード大の見解

ゴブリンモード」という言葉を知っているだろうか。

耳慣れない言葉だが、これは海外では一般的な単語。2009年頃から“ある状態の人”を指すものとして使われている。

英オックスフォード大によると、その定義は「社会の規範や期待を裏切るように、怠慢でだらしない自堕落的な行動や、欲望のままに行動するさま」。

……このモード、皆さんも少なからず心当たりがあるのではないだろうか。

というのも、毎年恒例のオックスフォード英語辞典の「今年の単語」にゴブリンモードが選ばれたのだ。

今回の「今年の単語」は、初めてとなる投票形式で選定。

「ゴブリンモード」「メタバース」「#IStandWith」の3つの選択肢から、全体の93%という圧倒的な割合でゴブリンモードが1位を獲得したそう。

新型コロナウイルスの影響で外出が減ったこともあり、SNSで描かれるような理想的な姿を捨て、怠惰で堕落した生活を自宅で過ごす人が増えた、というのが同大学の見解。

たしかに、近年になって良くも悪くも自分を“作る”行為を辞めた人は多いと感じる。

「BeReal」の急速な普及を含め、SNS上で「理想の姿を作る」よりも「ありのままを晒け出す」スタイルが流行っていることも、これと関係があるはずだ。

ちなみにゴブリンモードの元ネタは、当時交際中だったカニエ・ウェストとジュリア・フォックスが「ゴブリンモードに入ったことで破局した」というフェイクニュース。

オックスフォード大出版局のグラスウォール氏は、「現代の人々は“内なるゴブリン”を受け入れている。投票結果としてゴブリンモードが今年の単語になったことを踏まえると、この考え方は浸透していくはずだ」と語っている。

さて、皆さんはこの「内なるゴブリン」を受け入れているだろうか。

日本のネット界隈では「心の内にロリが住んでいる」というミームがあるが、彼らはその実態がゴブリンだったことを直視できるのか。

規範や期待に沿って行動するのも大切だが、心の健康のためにも、多少はゴブリンを養ってやるのも良いのかもしれない。

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