「乾燥」だけじゃない。冬に風邪が流行る理由。
冬本番──。
毎年「風邪」や「インフルエンザ」の流行に備え、換気や乾燥対策をするわたしたち。そういった予防策をするのも、「ウイルスは低温で乾燥した環境で感染力が強くなる」という説があるから。
誰もが警戒するであろう、冬場の要注意項目。それが「乾燥」だ。じつは、「鼻」もそこに加わるかもしれない。
ハーバード大学とノースイースタン大学が共同研究をおこなった結果、寒くなると鼻にある免疫機能が損なわれる、という新たな生物学的メカニズムが発見されたという。これが、冬時期の感染症増加の理由かもしれないと研究者らは考察をする。
©The Journal of Allergy and Clinical Immunology
そもそも、鼻孔はウイルスや細菌が体内に入る経路のひとつ。そのため、鼻孔の細胞が病原体を検出すると大量のEV(細胞外小胞)が放出されるのだが、温度が低下するとEVの量が42%も減少したという実験結果がでた。
ウイルスから体を守る機能が、気温低下で弱ってしまうという説はやっぱり本当だったのか。
ただし、これらは「試験管内の研究であること」に留意を。それを踏まえて、今年の冬は鼻にイヤーマフならぬ「ノーズマフ」をしたいところだが、代替品としてマスクなら、鼻をほんの少し温めてくれるかもしれない。
風邪は乾燥から。が、その前に自身の“鼻へのケア”もお忘れなく。
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