「非ホルモン性避妊薬」ついに誕生か。革新的な男性用ピルが開発中

先月14日、英科学誌の『ネイチャー』に画期的な男性用経口避妊薬に関する研究論文が掲載された。

アメリカの研究チームが開発中の「TDI-11861」と呼ばれる新型ピルは、セックスの前に服用することで精子の動きを止め、卵子に到達するのを阻止できるというもの。

マウスを使った実験では、後尾の前後数時間(卵子への到達を防ぐのに十分な時間)、精子が動かなくなったことが確認された。

最大の利点は、「非ホルモン性である」ということ。

TDI-11816は女性用の避妊ピルと異なり、ホルモンを含んでいないためホルモン欠乏症に陥る危険がなく、数時間後には元通りになるという。

ホルモンによってテストステロンを抑える方法ではなく、精子を動かすタンパク質の働きを妨害する仕組みだそう。先述のマウスの実験では、薬の効果はおよそ3時間続き、24時間後には薬効は完全に消えたとされている。

ただし、性感染症を抑える効果はないため、そのためには引き続きコンドームの使用が必要だ。

男性用ピル自体がまだ浸透していないなかで、女性が晒されているリスクを排除するアプローチの誕生は革新的と言える。現在も調査は続いており、人間の服用に向けて調整を進めていくという。

研究が進み、一日も早く普及することを願いたい。

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