「サウナビール」を造りに行って来ました!
サウナ大好き作家・岩田リョウコさんと、サウナをこよなく愛する女優・清水みさとさん。
ふたりがどのようにサウナを日常に取り入れ、どんなサ活を楽しんでいるのか。気になりますよね? そこで、ふたりのサウナな日々を「交換日記」に綴ってもらいました。
今回は、リョウコさんからみさとさんへ──。
文筆家、イラストレーター。アメリカ在住中に出版したコーヒー本『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』が全米ベストセラーに。世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でサウナ・スパ健康アドバイザーの資格を持つ。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA! 』『ちょっとサウナ行ってきます』。近著に『直訳やめたら英語が一気にできるようになった私の話』。
SNS:@ilovecoffeejp
みさとちゃんへ
みさとちゃんが「お母さんとエジプト行きたいなと思ってて……」と、いつかの話をしていると思っていたら、あっという間に航空券を取って「もう来週エジプトだよ!」と言っていたのでびっくりしました。
「ずっとやってみたいと思ってて……」「いつか行きたいと思ってて……」と言いながら結局やらないままの人がほとんどで、何かを聞いたり、思い立ったりして、実際に行動する人って2%くらいなんだそうです。みさとちゃんはその2%の人だなぁとよく思います。
即行動ができる人は、動くことを苦としてない人らしいです。即行動できる人とできない人の差は、日常生活の小さな判断にも現れるみたいです。たとえば、何か食べたいと思って、でもスーパーに行くのが面倒臭いから「まぁいっか」とやめちゃう人と、食べたいから面倒くさくても服を着替えて、歩いて買いに行く人。そこが大きな判断の時にもつながってくるみたいですよ。
即判断して、即行動していったエジプト、すごくいい経験になったようでわたしもうれしいです。テレビやネット、最近ではVRやAIでどれだけでも外国を身近に感じられるようになりましたが、エジプトのピラミッドの大きさや砂漠、そして歴史的な壁画などは自分の目で、目の前で見るのと映像で見るのとは全然ちがいますよね。
たくさん勉強して、知ることはできるけど、自分で「わかる」っていうのは、大きくちがうことだなってよく思います。
ガイドのファドさんの、「他の国に来たらすべてが新しい経験だから、疲れてもちょっとがんばろう、今できることすべての経験が一生モノだから」っていう言葉、響きました! わたしもまたエジプトに行くことがあれば、次はファドさんにガイドお願いしよーっと。
さて先週、青森県弘前市にあるブルワリー「Be Easy Brewing」でビールを仕込んできました。というか、みさとちゃんも手伝いに来てくれましたね。
わたしたちはフリーランスだから、行動しやすいのかもしれないですが、みさとちゃんはビールを飲まないし、ビールに関心があるわけじゃないのに、わたしがやっていることに興味をもって飛行機に乗って青森まで来てくれて、ビール造りを手伝うというのは、相当の行動です!もう行動のタガが外れているとしか言いようがない!(笑)アンリミテット行動!
なんでビールを造りに青森まで行くのかというとですね、サウナビールを造りたくて、造るなら、自分がおいしいと思っているビールの造り手さんと一緒に造りたい。そしてその人がサウナ好きであることがわたしの絶対条件でした。
その条件にぴったりだったのが、Be Easy Brewingのギャレス・バーンズだったというわけです。ギャレスとは1年の付き合いだけど、はじめて会った時からずっと前から友だちだったような気がしています。
それで去年の夏に2種類のサウナビールを仕込んで販売したんです。
サウナ好きのみなさんはクラフトビールにはそんなに興味ないかなぁなんて思って少なめに造っていたんですが、去年のサウナビール、バカ売れしまして!(笑)好評でしたので、今年も新しいレシピを考えて2種類仕込みました。
ひとつはフィンランドのエールビール。
フィンランドの伝統的な、ジンにも使われるジェニパーを使ったビール「Sahati」で決まりました。ジェニパーの枝と葉と実、全部ついたものを買えるところから探しました。全部ビールにぶちこんで、森っぽい香りを表現するためです。
もうひとつはドイツのラガービール。
ドイツが生んだ世界中に愛されるビールスタイルです。フィンランドの方が独特なので、こちらは切れ味があって飲みやすい、でも優しい味になるように「ピーチラガー」にしました。発酵に1ヵ月ほどかかるので、また来月末、できあがりをご報告したいと思います。
サウナ好きなわたしたち3人が集まったら、ビール造りだけで終わるわけがありません。サウナに行かなきゃどうする!
というわけで、ギャレスのホームサウナ「大和温泉」に行くことに。大和温泉でサウナを使っているのはほぼギャレスしかないようで、もはや大和温泉ではなく「ギャレスサウナ」と呼んでもいいくらいだと本人は言ってました。
でも実はここ、女性はミストサウナなんです。なので「男性の方も入りたいなぁ、いいなー」と言っていたら大和温泉のみなさんが翌朝、営業時間の前なら男性の方もどうぞと言ってくださって、両方入れることに!
のれんが「おどご」「おなご」となっていることに感動するし、地元のおばあちゃんが話していることが英語よりもわからなかったり、日本にいるのになんか不思議な気分になる地元の銭湯でした。
おどご側は、ドライサウナで木のマットを使って入ります。400円でサウナ料金なしで、このクオリティ。しかも誰もいない“ギャレスサウナ”。わたしたち、ニコニコしちゃいましたね〜!
そして、あなどるなかれ。
おなご側のスチームサウナ、なんとスチーム製造機ではなく、お湯が壁に流れている!それでスチームを作り出しているという生まれて初めて出会った手法!
弘前の本当に地元の人しか来ない、来る人の名前も、来る時間もわかっているような銭湯だけど、よそ者のわたしたちを受け入れてくれて、すごくうれしかったです。
そしてなによりも、みさとちゃんがわたしの友人ギャレスとブルワリーのみなさんともすぐに仲良くなってくれて、弘前を楽しんでくれたことが一番うれしかった!
こうやって気の合う人同士が縁を広げていけるのって、たのしいなって思いました。行動力のある人たちは繋がるのも早いし。今度はわたしたちがお気に入りのサウナにギャレスを連れていきましょうね!
『大和温泉』
【住所】青森県平川市中佐渡南田1-2
【電話】0712-57-2852
【営業時間】7:00〜22:00
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