COP28で「ヴィーガン料理」の提供が決定→Z世代はどう思う?
今年の「国連気候変動会議(COP28)」で、アップデートされることがある。それは、例年とは違い、同会議で初めて「ヴィーガン料理を提供する」ことだ。
COPの主な目的は、各国のリーダーが一堂に会し、気候危機への取り組みについて議論すること。しかし、過去には「畜産が環境破壊の主な原因であることを軽視している」、あるいは「もはや無視している」と指摘され、大きな反発を招いたこともある。
今年はアラブ首長国連邦のドバイにて、11月30日から12月12日まで開催される予定だ。
過去のバックラッシュ
少なからず環境破壊に影響を与える畜産業。昨年や一昨年前の会議では肉料理や魚料理などがテーブルに並べられ、環境アクティビストや団体から多くの批判の声が上がった。
その批判を真摯に受け止めたのか、今回のCOP28では環境問題に配慮すべく「ヴィーガン料理」の提供が決定されたようだ。
昨年エジプトで開催された同会議では、100ドルの牛肉メダリオン、50ドルのシーフード盛り合わせ、40ドルのサーモン料理がメニューにあったという。これらの料理は持続不可能な漁業や養殖業の産物であるうえ、サーモンは何千キロも離れた場所から空輸されたものだと報じられ、ヴィーガン協会は「失望している」との声明を出した。
ヴィーガン料理は環境にいい?
ヴィーガン料理は、動物性の食材を一切使用しないのが特徴的だ。環境活動家がヴィーガンになるという選択をする背景には、肉と乳製品が地球に大きな影響を与えているという事実がある。
畜産は世界の温室効果ガス排出量の少なくとも14.5%を占めていると考えられている。また、森林伐採、生物多様性の損失、種の絶滅を引き起こしているとの見解も。
残念ながら、環境問題について語られるとき、家畜の影響は見落とされがちであることも事実。食糧システムが地球環境にもたらすコストを周知するためにも、今年のCOPがヴィーガン料理を採用したことに大きな期待が持てそうだ。
Z世代の環境アクティビストの声
現代の若者たちは環境問題に関心があるといわれるが、実際にZ世代の環境アクティビストはどう思っているのだろうか。
「ProVeg」のキャンペーン・政策担当者であるLana Weidgenant氏は『Plant Based News(PBN)』にこう語ったという。
「COP議長国が今年、世界でもっとも重要な気候変動サミットで植物性食品を優先させる可能性があることを嬉しく思います。気候変動に取り組むために、より植物ベースの食事を採用することの重要性について、約200カ国の代表団に明確な、そして美味しいメッセージを送ることになるでしょう。」
Lanaの喜ぶ声とは違い、環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏は、各国のリーダーたちはそもそもカンファレンス自体をする必要がないという。彼女は本当の意味でのアクションを求めているようだ。