浮世絵の技法、現在にサステナな形で蘇る。「お米でできた紙」
CO2削減にフードロス問題……現代が抱えるこれらの問題を打破するべく、浮世絵の技法を取り入れたおもしろい紙が開発された。
この「kome-kami 浮世絵ホワイト」の表面には、お米を使った塗工液が施されている。
©ペーパル
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通常、紙の表面には、強度と発色を向上させるために薬品が塗られてる。その一部の薬品をお米に代替した塗工液「コメグロス」を使用したのが、kome-kami。
では、なぜ「浮世絵」という名がついたのか?
じつは、お米を表面に施す技法は江戸時代にも使われていたそうで、その目的が浮世絵の発色を良くするためだったから。そんな伝統を受け継いだ鮮やかな発色にはっきりとした白さ、耐久性、印刷性を備え、上品なきらめきを放つのがこの用紙というわけだ。
また、紙自体にもお米とパルプを一体化させた原料を使用しており、CO2の削減や資源循環にもつながっている。さらには今回使用されている米は、加工・流通段階や一般家庭で食べられなくなったお米や、廃棄される災害用備蓄米など。
これに加えて売上の1%をフードバンクに寄付しており、子どもの貧困問題にも向き合った取り組みもしていくそうだ。
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