1,300年の畳文化の流れを変える「デザイナーズ畳」

畳の歴史が、いま変わろうとしている。

京間や江戸間など地域によって若干のサイズの違いはあった。しかし、そのカタチは一定して長方形だった。ところが、この畳は複雑なカタチをしている。

国宝・重要文化財を含む200以上の寺社仏閣より培われた伝統技術を元に、これまで不可能とされていた変形加工を実現したのが「XT(エクスティー)」。いわば、デザイナーズ畳ともいえるべきプロダクトを紹介しよう。

ベースとなるのは
伝統技法による「本物の畳」

複雑なカタチの畳を生み出したのは、畳の専門店「草新舎」。職人の手仕事により、希少な天然素材を一つひとつ丹念に編み込む伝統的な畳づくりを継承してきたそうだ。

寺社仏閣や旅館などから多くの特注畳を受注生産してきた経験は、「XT」の随所に活かされている。例えば、採寸技術や割付技術は、1cm刻みで応えられるレベルなのだという。伝統技法をしっかりと抑えているからこそ、自由なデザインが可能になったのだ。

畳を変形させるという
新しい視点

あたり前だが、どんなに複雑なカタチをしていても、つなぎ目がうまく合わされなければ、畳としては機能しない。しかし、「XT」を見ていると、まるで、完成した畳を刀でスパッと切断したような印象を受ける。それほどつなぎ目が鮮やかなのだ。

畳のつなぎ目を見て、ジグゾーパズルを連想したのは僕だけではないハズ。複雑なデザインを実現させたのは、コンピュータのアルゴリズムを応用したおかげなんだとか。その結果、このような複雑なカタチでも、きちっと合わさる離れ技ができたようだ。

合計4パターンのデザイン

VORONOI -ヴォロノイ-

デザインは、ヴォロノイ、翁草(おきなぐさ)、思草(おもいぐさ)、眩草(くらら)の計4パターン。いずれも、縁無しの畳となっている。縁の模様がない分、スタイリッシュな印象が強くなっているのかもしれない。これなら、和室だけでなく洋室にも相性がいいハズ。

それにしても、どのデザインも、一瞬、畳とは思えない印象だ。あるいは、和にも見えるし、洋とも感じられる不思議な空間が出来上がる。まさに、和洋折衷とは、このコトなのかもしれない。

これらの少し歪んだ曲線の畳の上に座れば、直線的な思考を離れて、禅や哲学、さらには、人生について考える時間が増えそうな予感がする。

OKINAGUSA -翁草-

OMOIGUSA -思草-

KURARA -眩草-

各製品は完全受注生産。注文状況によっては、納品まで時間がかかる場合もあるようだ。しかしながら、国内海外問わずに商品は届くとのこと。詳しくは、公式サイトをチェックしてみよう。もしかしたら、この畳、海外から火がつくかもしれない。

Licensed material used with permission by XT(エクスティー)
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。