描き出すのはノスタルジー。「孤独な廃車」がアートになった。
イギリス出身のアーティストDan Rawlingsさんの作品は、標識や車、ノコギリ、タンクなどといった生活に根付く金属類から驚くほど繊細な草木、人のシルエットを彫り出すというもの。
「僕はどこかセンチメンタルな感じのする、古びた道具や農場の装置なんかを材料にして作品を作るのが好きなんだ。それが人々の間で共有されて、使われていた頃に想いを馳せることができるからね」
人々のぬくもりと面影を
ピュアな情景として描き出す
古ぼけた金属という忘れ去られた存在と、生きた植物や人影の温もりは、不思議なことによく似合う。それはそこにかつての人々の生活や、純粋でのどかな思い出が垣間見えるからかもしれない。
浮かび上がる影を見てほしい。まるで本物の生きた植物のよう。計算し尽くされている。
錆びたノコギリをもとにした作品。
「なんでもできる。自由だ。そんなふうに感じていた、純粋な、子どもの頃みたいな気持ちをみんなに思い出して欲しい。木に登ったり木の下に座ったり、植物を眺めている時間は、なんでもないものだけど、それが大事で、そこにはなんでもある」
Licensed material used with permission by Dan Rawlings