捨てられるはずの漁網を100%アップサイクルした「サングラス」

スマホやパソコン、ペットボトル……ありとあらゆるものがプラスチックで作られる現代。その利便性のいっぽうで、世界中で海洋プラスチックゴミ問題が深刻化している。しかし、もしそのゴミが、スタイリッシュなサングラスや日用品に生まれ変わるとしたら?

そんな未来を創造する、日本発のアップサイクル素材が注目を集めている。

捨てられる漁網が新たな価値を持つ
「amuca®マテリアル」

宮城県気仙沼市発のベンチャー企業「amu株式会社」が手掛ける「amuca®(アムカ)マテリアル」。それは、回収した廃漁網を100%リサイクルして生まれた、まったく新しいプラスチック素材だ。従来の技術では強度や品質の面で課題の多かった漁網リサイクルだが、amuca®マテリアルはナイロン、ポリエステル、ポリエチレンなど、さまざまな種類の樹脂に対応することで、高品質かつ多様な製品開発を可能にした。

サステナビリティは、スタイリッシュだ。

amuca®マテリアルの革新的な点は、単なるリサイクル素材ではなく、回収地域や漁法、漁師のストーリーを製品に付加できる点にある。デジタルプラットフォーム「CiReta! (シレタ!)」を活用することで、製品の環境価値や背景にあるストーリーを消費者に分かりやすく伝えることができる仕掛けが。

例えば、宮城県気仙沼市で回収されたマグロテグスを100%使用したリサイクルナイロンペレットから作られたサングラスフレーム。フレームの製造には、植物由来TRナイロンも40%使用されており、リサイクル率はじつに60%にもなる。

「エシカル消費」の先へ。
アップサイクルがつくる、未来の選択

amu株式会社は、amuca®マテリアルを用いてサングラスだけでなく、家電製品やホテルのアメニティ、アパレル副資材、企業ノベルティなど、幅広い分野への展開を目指す。

同社が掲げる「いらないものはない世界をつくる」という言葉。エシカル消費が浸透しつつある今、新素材の登場は、廃棄物を単なるゴミとして処理するのではなく、資源として捉え直す、アップサイクルという選択肢を提示している。それは、地球全体の持続可能性を考え、未来の世代へ美しい海を引き継ぐ新たな潮流となるはずだ。

👀 GenZ's Eye 👀

世界中の環境問題を解決するため、ゴミを100%アップサイクルして生まれ変わらせる──。そんな日本ベンチャーの取り組みは、紛れもなくカッコいいです。

Top image: © amu
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。