スマホ疲れの処方箋:ハイネケンが提案する「退屈」のススメ

友人や家族との食事中、ついスマホを触ってしまう自分に罪悪感を覚えたことはないだろうか? 

スマホとの距離感は、現代人にとって共通の悩み。そんななかビールメーカー「ハイネケン」が、デジタルデトックスとは一線を画す、ユニークなアプリをリリースした。

「退屈」をデザインする
ハイネケンの挑戦

© ハイネケン・ジャパン株式会社

「ハイネケン・ジャパン株式会社」が今年9月に行った調査によると、友人や家族と過ごす時間に「ついついスマホを見てしまう」と答えた人は、20~50代で80%、20代ではじつに90%以上にものぼるという。

デジタル機器は便利だが、いっぽうで過度な利用による集中力や創造性の低下人間関係の希薄化といった問題も指摘されている。「ビールを売るな、楽しい時間を売れ。」という理念を掲げるハイネケンは、皮肉にも現代人の楽しい時間を阻害する要因の一つがデジタル機器の普及にあると考えた。

そして行き着いた答えが、あえてスマホを「退屈」にするという、逆転の発想!

タイムスリップしたような感覚
「The Boring Mode」の中身

© ハイネケン・ジャパン株式会社

「The Boring Mode((退屈モード))」を起動すると、目に飛び込んでくるのは、懐かしさを感じるグリーンのインターフェース。同アプリの特徴は、そのシンプルさにある。

スワイプするだけでSNSやメッセージアプリ、通知機能などを一括でブロック。さらに、ガラケーを彷彿とさせる低画質カメラや、すぐにクリアできるミニゲームなど、スマホを使うこと自体を「退屈」にする仕掛けが満載。それは、まるでデジタルデトックスを促すかのよう……。

集中力を取り戻す
シンプルライフのススメ

ハイネケンは2024年4月の「Milano Design Week 2024」において、通話機能のみを搭載した「The Boring Phone(退屈な携帯電話)」を発表し、話題を呼んだ。今回の「The Boring Mode」も、この流れを汲むものと言えるだろう。デジタルから距離を置き、自分と向き合う時間をつくる。それは、現代人が忘れかけていた「本当に大切なもの」に気づかせてくれる貴重な機会となるかもしれない。

情報過多な現代社会において、あえて「退屈」を選択する。ハイネケンの新たな挑戦は、私たちにシンプルライフの魅力を改めて問いかける。

👀GenZ's Eye👀

前身である「The Boring Phone」にも注目していた筆者。早速アプリをインストールし、絶賛愛用中です!「Boring Mode」中にほかのアプリを開こうとすると、「アプリがブロックされ、愉快な仲間たちがアンロックされました」との文章が出てくるんですが、これが最高に愛おしい(笑)

Z世代らしく基本的にお酒はキャンセル界隈なのですが……今週末はなんと久しぶりに友人と飲み会の予定を入れてしまいました!

Top image: © ハイネケン・ジャパン株式会社
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。