空の旅に革命を!デルタ航空が挑む「車椅子ごと搭乗」という未来
旅の醍醐味は、非日常的な空間や体験を通して、新しい自分と出会うこと。しかし、現状では「移動」という行為自体が、一部の人にとって大きなハードルになっていることも事実。とくに飛行機での移動は、車椅子ユーザーにとって、多くの困難を伴う場合が多い。慣れない環境での移動の負担に加え、預けた車椅子が破損してしまうリスクも......。
「USA TODAY」の記事によると、アメリカの航空会社は年間1万~1万5000台もの車椅子や移動補助具を破損・紛失しているという現実も報じられている。車椅子ユーザーにとって空の旅とは、まだまだ簡便で安心とは言い切れない現状。
しかし、そんな現状が大きく変わるかもしれない。
航空業界の常識を変える?
デルタ航空の新たな挑戦
こうした現状を変えるべく、米国運輸省、米国連邦航空局(FAA)、そして「デルタ航空」がタッグを組んだ。目指すは、車椅子ユーザーが自身の車椅子に乗ったまま飛行機に搭乗できる未来だ。実現すれば、機内での移動や乗り降りの負担が軽減されるだけでなく、預け入れ時の破損リスクを減らすことができる。
「長年待ち望んでいた瞬間がついに訪れた。感動している」と、車椅子ユーザーの権利擁護団体「Rights on Flights」創設者Sophie Morgan氏は、今回の発表に喜びを露わにした。「これは、車椅子ユーザーにとって、より良い世界を実現するための長い旅路の第一歩。すべての航空会社がこの変革を受け入れ、世界を変えることを期待している」と「USA TODAY」に語った。
「バリアフリー」の先へ
インクルーシブな社会の実現に向けて
機内車椅子の導入は、単なる「バリアフリー化」を超え、インクルーシブな社会の実現に向けた大きな一歩と言えるだろう。多様性や個性を尊重する価値観が広がるなか、あらゆる人がそれぞれのスタイルで快適に過ごせる環境づくりが求められてきた結果が今回の挑戦であった。
FAAは、2025年末までに機内で車椅子を使用することの実現可能性について判断を下す予定。実現までの道のりは容易ではない。デルタ航空は、機内車椅子に対応する機体改修には最大7年かかる可能性を示唆しており、技術的な課題やコスト面など、クリアすべきハードルは少なくない。
しかし、変化の兆しは、航空業界以外にも広がりを見せている。近年注目を集めている「ユニバーサルデザイン」は、年齢、性別、国籍、障がいの有無に関わらず、あらゆる人が快適に利用できるデザインを指す。たとえば段差をなくしたスロープや、音声案内機能付きの信号機などは、街中でよく見かけるようになったのではないだろうか。
テクノロジーの力で
未来の旅行体験を創造する
デルタ航空は、「航空旅行のバリアフリー化を推進してきた。今後も、あらゆるお客様をサポートするために、テクノロジーとイノベーションへの投資を続けていく」とコメント。同社の取り組みは、私たちに移動の自由について、改めて考え直すきっかけを与えてくれる。
AIや自動運転技術など、進化を続けるテクノロジーは、私たちの旅行体験を大きく変えようとしている。近い将来、誰もがストレスフリーで、快適な旅を楽しめる時代が訪れるかもしれない。
👀 GenZ's Eye 👀
筆者もデルタ航空はお気に入りの航空会社で、よく利用しています。サービスもとても良く、居心地の良いデルタが、ついにバリアフリーに本気を出し始めました。人を選ばないまさに“ユニバーサル’’なサービスがスタンダードになっていくのかもしれません。