かつて、地球の周りにも「巨大なリング」が存在していた可能性

夜空に輝く星々に、煌びやかな天の川……宇宙にロマンを感じる人は少なくないはず。遠い宇宙の物語に思いを馳せる一方で、足元の地球にもまだまだ未知の世界が広がっている。

たとえば、今から約4億6600万年前の地球は、今よりずっと寒くて、巨大な氷河に覆われていたらしい。多くの生物が絶滅したと考えられている、地球史上最大級の寒冷化時代だ。いったい何が原因で、地球はそこまで冷え込んでしまったのだろう?

20個以上のクレーターが見つかった場所とは?

 

発見された隕石衝突クレーターが示すもの

その謎を解く鍵を、オーストラリアのモナシュ大学研究チームが発見した。なんでも、オルドビス紀に形成された20個以上の隕石衝突クレーターが、地球の赤道付近に集中して発見されたというのだ。

「CNN」の報道によれば、「21個のクレーターがすべて赤道付近に集中しているのは統計的に珍しい。本来ならランダムに分布しているはずだ」と、同大学のAndrew Tomkins教授(地球惑星科学)の指摘を紹介する。

地球を覆う「巨大な環」の可能性

この奇妙なクレーターの分布から、研究チームは驚くべき仮説を立てた。もしかしたら、当時の地球には土星のような巨大なリングが存在し、その影が地球を覆い尽くしたことで寒冷化を引き起こしたのではないか、というのだ。

土星のリングは、氷でできた衛星が土星の重力によって破壊され、その破片が集まってできたと考えられている。同じように、地球にも過去に巨大な天体が衝突し、その破片がリングを形成した可能性は十分に考えられる。

地球リングはどんな姿?

もしも本当に地球に巨大なリングが存在していたとしたら……それは、夜空を横切る巨大な光の帯として、古代の人々の目に映っていたかもしれない。そんな太古の地球に思いを馳せながら夜空を見上げてみると、なんともロマンチックな想いがする。

遠い宇宙の出来事のように思える隕石衝突だが、近年では、2013年にロシアに落下した「チェリャビンスク隕石」のように、都市部に被害をもたらすケースも発生している。“地球リング”の謎は、地球史のロマンを解き明かすだけでなく、私たち人類の未来にもつながる、重要な研究と言えるだろう。

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