自販機の「やすめるボタン」押したい?UUUMが福利厚生に採用した「遊び心」

「働き方改革」の波に乗り、企業はあの手この手で従業員満足度向上に取り組んでいる。そんな中、エンタメ企業UUUMが導入した、一風変わった福利厚生が注目を集めている。なんとオフィスに設置されたのは、リラクゼーションドリンクが出る自販機。一体、その狙いとは?

UUUMが仕掛ける、新感覚リフレッシュ

ティグリス・ジャパン株式会社のプレスリリース(2024年12月25日配信)によると、UUUMは2024年8月20日から、リラクゼーションドリンク「moment」とコラボしたオリジナル自販機「やすんでもらいた〜い自販機」をオフィスに設置した。

HIKAKINやはじめしゃちょーなど、人気YouTuberが多数所属するUUUM。華やかなイメージとは裏腹に、動画クリエイティブ業界は労働時間の長さや精神的な負担の大きさから、たびたび問題視されてきた。

厚生労働省が発表した「令和3年版 過労死等防止対策白書」によると、情報通信業(映像情報制作・配給業を含む)の労働者のうち、1週間あたりの労働時間が60時間を超える人の割合は4.1%にのぼる。これは、全産業平均の1.9%と比較して2倍以上であり、動画クリエイティブ業界における長時間労働の実態が浮き彫りになっている。

UUUMの取り組みは、こうした業界の課題を背景に、従業員のメンタルヘルスにより配慮した職場環境作りを目指したものと言えるだろう。

©ティグリス・ジャパン株式会社

「飲むだけで瞑想体験」!? momentが選ばれた理由

「やすんでもらいた〜い自販機」で提供される「moment」とは、「飲むだけで瞑想」をコンセプトに、植物由来のアダプトゲンやハーブを配合したリラクゼーションドリンクだ。ニューヨークで生まれたこのドリンクは、現代社会におけるメンタルウェルビーイングへの関心の高まりを受けて、日本でも人気上昇中だ。

UUUM代表取締役社長執行役員の梅景匡之氏は、自販機に次のようなメッセージを添えている。

う〜む…と行き詰まったときは、ひとまずやすんでもらいた〜い。UUUMは、“飲むだけで瞑想ドリンク”momentとコラボして、オフィスにリラクゼーションタイムを届ける福利厚生はじめました。 がんばれな〜いってときは、あそび心を育てるチャンス。 思いっきりやすんでいきましょう。

©ティグリス・ジャパン株式会社

「遊び心」がもたらす、想像以上の効果

「やすんでもらいた〜い自販機」最大の特徴は、その遊び心あふれる仕掛けだ。「やすみた〜い」「ほっとした〜い」「やめた〜い」など、思わず口に出したくなる30種類のボタンが設置されており、疲れたときにボタンを押すと「moment」が出てくる。

このユニークな仕掛けは、従業員にリフレッシュを提供するだけでなく、オフィスに笑顔とコミュニケーションを生み出す効果も期待できる。

従業員同士が「どのボタン押した?」「今日は“もう無理…”って思ったからコレにした(笑)」などと会話する様子が目に浮かぶ。

このようなコミュニケーションは、従業員同士の相互理解を深め、より働きやすい環境づくりに繋がる可能性もあるだろう。

UUUMの取り組みは、従来の福利厚生制度にとらわれない、企業努力の新たな形と言える。従業員のメンタルヘルスに配慮し、働きやすい環境を提供することは、企業にとって重要な課題だ。

遊び心を取り入れたUUUMの福利厚生は、他の企業にとっても大きなヒントになるのではないだろうか。

Top image: © ティグリス・ジャパン株式会社
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