家庭のカレーが「1食429円」過去最高値を更新。ただし、備蓄米放出で今後は最大2割安の可能性も?

食卓の定番メニューであるカレーライスが、かつてないほどの値上がりに見舞われている。帝国データバンクが発表した調査によると、家庭でカレーライスを作る際のコストが過去10年で最も高くなっている実態が明らかになった。

過去最高値更新、要因はコメと野菜の高騰

帝国データバンクが原材料や光熱費などを基に独自に算出した「カレーライス物価」によると、2025年4月時点の価格は1食あたり429円に達した。

これは、1年前の321円から108円、率にして33.6%もの大幅な上昇であり、23カ月連続で前年の価格を上回る結果となった。

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この価格高騰の主な要因は、食材費の上昇にある。

費用の内訳を見ると、全体の約半分を占める「カレー具材(肉・野菜)」は215円。特に天候不順の影響で、ニンジンやジャガイモといった野菜の価格が大きく値上がりした。

さらに深刻なのが「ごはん(ライス)」の価格で、コメの店頭価格高騰を受け、前年の93円から185円へとほぼ倍増。これも過去最高値を記録し、カレー全体の価格を押し上げる大きな要因となった。

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備蓄米放出に期待、今後の価格見通し

今後の見通しとして、2025年5月にはさらに価格が上昇し、1食448円に達するとの予測が出ている。

野菜や輸入牛肉の価格が引き続き上昇傾向にあることに加え、市販のカレールー製品の値上げも影響する見込みだ。

一方で、価格を押し下げる可能性のある要素も存在する。

それが、政府による備蓄米の放出。この調査の試算によれば、備蓄米が市場に出回ることでコメ価格が下落した場合、カレーライス1食あたりの価格は最大で2割ほど安くなり、300円台前半まで低下する可能性があるという。

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物価高の食卓への影響は続く

備蓄米による価格低下効果が期待されるものの、カレーライス物価が200円台で推移していた2023年の水準まで戻る可能性は低いとみられている。

家庭の食卓は、今後も中長期的な物価高の影響を受け続けることになりそうだ。

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