“Just Do It”から『Why Do It?』へ。ナイキ、スローガンを現代の若者へ問い直す新キャンペーン
1988年の誕生以来、スポーツ文化の象徴であり続けたスローガン「Just Do It」。
このあまりにも有名な行動への呼びかけを、ナイキが現代の若者世代に向けて再定義する。
「偉大さは結果ではなく、選択である」というメッセージを込めた、新たなキャンペーン『Why Do It?』が始動した。
「偉大さは結果ではなく、選択である」
今回のキャンペーンは、挑戦や失敗がこれまで以上に大きなプレッシャーとなりうる現代を生きる、若いアスリートたちに向けて発信される。
偉大さは与えられるものではなく、自ら選ぶもの。
そして、その最も重要な選択は、時に「ただ始めること」にあるという考え方が根底にあるようだ。
キャンペーンの始動に合わせて公開されたアンセムフィルムには、カルロス・アルカラス、レブロン・ジェームズ、ケイトリン・クラーク、サーレス・バークリーといった、世界的なアスリートたちが登場。
彼らが体現する、スポーツのありのままの姿を通じて、情熱に突き動かされることの価値や、ありのままの自分でいる勇気を描いているという。
挑戦の歴史を受け継ぐメッセージ
「Just Do It」は、これまでも単なるタグラインではなかった。
80歳のランナー、ウォルト・スタック氏がゴールデンゲートブリッジを走る姿から始まり、マイケル・ジョーダンやセリーナ・ウィリアムズといった象徴的な選手の偉業を捉え、1995年には少女たちのスポーツ参加の権利を訴えるなど、常に挑戦する人々を鼓舞してきた。
ナイキのCMOであるNicole Graham氏は、「『Why Do It?』によって、私たちは新しい世代のためにその火花に点火し、彼らが勇気を持って一歩を踏み出し、自分自身の可能性を信じるよう促します」とコメントしている。



現代に響く「始める勇気」
今回の再導入は、栄光や懐かしさを追い求めるものではない。
今日の世代が直面するプレッシャーと可能性の中で、真実味を感じられる形で「Just Do It」の精神を再解釈する試みだという。
スーパーボウルチャンピオンのサーレス・バークリー氏は、「偉大さは、すべての選択、すべてのワークアウト、すべてのカムバックによって獲得するものです」と語る。
ナイキは、このキャンペーンを通じて、挑戦すること自体に価値があり、失敗もその過程の一部であることを、あらゆる背景を持つアスリートたちに改めて伝えていくようだ。













