横浜市立大学とDNP、アニメをメンタルヘルスケアに活用する「アニメ療法」の実証実験を開始
横浜市立大学のCOI-NEXT拠点であるMinds1020Labと大日本印刷(DNP)が、オリジナルキャラクターを活用したオンラインカウンセリング「アニメ療法」の実証実験を2025年10月1日に開始した。
生きづらさを抱える若者を主な対象に、アニメをメンタルヘルスケアに役立てるこの試みの、社会実装を目指すという。
キャラクターを介して行うカウンセリング
「アニメ療法」とは、日本のアニメやゲームなどの物語作品を用いて、感情移入や没入体験を通じて心のケアを行う精神療法。
今回の実証実験では、この療法を「社会的処方」、つまり医学的治療だけでなく、地域の活動への参加などを通じて生活の質(QOL)を向上させる取り組みとして、その有効性を検証する。
実験では、参加者が物語的背景を持つオリジナルキャラクターの中から1つを選択し、心理士がそのキャラクターを自身のアバターとして介することで、オンラインカウンセリングが行われるとのこと。

産学連携で社会実装を目指す
この実証実験は、若者の心の課題を研究する学術拠点「Minds1020Lab」と、アニメ療法の社会実装を検討してきたDNPが共同で設計したもの。
DNPは、オリジナルキャラクターのデザイン・制作と、カウンセリングシステムの設計・制作を担当。
「アニメ療法」の提唱者であるパントー・フランチェスコ氏は、横浜市立大学の客員研究員としてこの実験に参加している。
実験は2026年6月30日まで行われ、カウンセリングの前後で心理指標に基づく質問票に回答することで、その効果が測定される予定だ。

【オンラインカウンセリングの実証実験概要】
〇実施期間:2025年10月1日~2026年6月30日
〇対象者:18~29歳の成人20名
〇実証実験の流れ:
①実験対象者が、パントー氏の原案による物語的背景を持ったオリジナルキャラクター1つを全6種の中から選択
②心理士が、自身のアバターであるキャラクターを介して、アニメ療法に基づくオンラインカウンセリングを実施
③カウンセリングの前後で実験対象者が心理指標に基づく質問票に回答し、心理士等が効果を測定






