若者の教員志望者が爆増中。コロナ禍の孤独感が新たな視点を生んだか
長年、給与や労働条件への懸念が指摘されてきた教育現場に、変化が起きているようだ。多くのZ世代の卒業生が、教師という職業を選択しているという。
非営利教育団体「Teach For America(TFA)」によると、過去3年間で同団体の教員志望者は約43%増加したとのこと。
コロナ禍での孤立がリアルなつながりを求める原動力に
この傾向の背景には、コロナ禍での経験が大きく影響していると見られる。
TFAのホイットニー・ピーターズマイヤー氏は、ロックダウン中に孤立を経験したZ世代が、人間的なつながりやリアルな体験を求めていると分析している。
多くのエントリーレベルの仕事が不安定で社会的影響を感じにくい中、教師という職業は目的意識や責任感を持てる機会として魅力的に映っているようだ。
また、経済的な不確実性が高まる時期には、人手不足が深刻な教育分野へ人材が流れる傾向があるとも指摘されている。
新世代がもたらす教育現場への新しい風
Z世代の教師たちは、自身の経験を活かし、教育に新たな視点をもたらしているという。
アメリカ教員連盟のランディ・ワインガーテン会長は、彼らがテクノロジーや社会的情緒的学習(SEL)への新しいアプローチを取り入れていると述べている。
例えば、マインドフルネスやジャーナリングを通じて生徒の心のケアを行ったり、批判的思考やメディアリテラシーを重視した授業を展開したりする動きが見られる。
単に知識を詰め込むのではなく、生徒の人間的な成長や社会性の発達に重きを置く姿勢が特徴的だ。
依然として残る課題と今後の展望
しかし、教育現場が抱える課題が解消されたわけではない。
低賃金や高い燃え尽き症候群のリスク、さらには銃暴力などの安全面への懸念は依然として存在している。Rand研究所の調査によると、教師の約53%が燃え尽き症候群を報告し、16%が辞職を望んでいるという。
Z世代の教師をつなぎ止めるためには、給与の改善や職場環境の整備が不可欠だとの声が上がっている。彼らの情熱とコミットメントに応えるための支援体制が、今後の教育現場の持続可能性を左右することになりそうだ。






