「子供心」が新型コロナ禍のコミュニケーションの肝?
まだしばらくは続くであろう、“マスク生活”。
この状況で浮かぶのが、感情が読み取りにくいマスクでの生活が続くと、子どもの発達を妨げるのでは?という懸念。
マスク着用でのコミュニケーションは感情が読み取りにくいし、かつて「表情を読み取るには経験が必要」という研究結果が出ていることからも、その懸念はもっともだ。
ところが、昨年末に米医学誌『JAMA Pediatrics』が発表した論文によると、幼い子どもは多くの場合、マスク着用者の感情を読み取ることができるらしい。
スイスのローザンヌ大学病院が実施した研究で、3〜6歳の子ども276人に感情を表現した様子の写真を見せたところ、マスクの有無に関わらず、大半の問題で正しい回答ができたそう。
正答率はマスクなしで約70%、マスクありで約67%で、年齢が高いほど正答率も上昇したとのこと。
研究者は「子どもは高い適応能力を持っていることを示している」とコメントしている。科学的な裏付けなどは発表されていないものの、7割近い正答率は可能性を示唆するには十分だと言えるんじゃないだろうか。
想像力が豊かだから?
無邪気な“子供心”によるものか?
いずれにしても、適応能力が高いことは羨ましいばかり。ぜひとも研究を続けて、むしろ大人がこの能力を手に入れられる方法を見つけてくれることを願いたい。
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