米小都市でデータセンター建設を巡る対立が拡大。住民と自治体の溝深まる

米国の小規模都市で、データセンター建設計画を巡り自治体と住民の対立が広がっている。

オハイオ州ウィルミントンでは、住民の一人が市の意思決定過程に問題があったとして市長や市議会の対応を批判。背景にはAmazon Web Servicesが約40億ドルを投じ、約500エーカーの土地にデータセンターを建設する計画がある。

計画では学校やインフラ整備への資金提供と引き換えに、最大30年間の固定資産税減免が検討されており、一部住民は企業側が地域政治に強い影響力を持っていると懸念している。

全米で広がるデータセンター論争

同様の問題は全米の小都市でも起きている。

ウィスコンシン州のポートワシントンでは、データセンター計画を巡る市議会の会議で口論が激化し逮捕者が出た。

ジョージア州ディカルブ郡でも、議会開催時に警察の警備が必要になるなど、地域社会の分断が顕在化している。

またオハイオ州の小都市アッシュビルでは、データセンター企業EdgeConneXの施設計画を巡る住民の反発を受け、市長と議員が辞任する事態となった。

巨大投資と地域社会の摩擦

ミシガン州セイライン・タウンシップでは、開発企業Related Digitalが農地の用途変更を求め、背後にはOracleやOpenAIなどの巨大テック企業の需要があるとされる。

自治体が当初は開発を拒否したものの、開発側からの訴訟を受けて最終的に和解し、約14億ワット規模、総額70億ドルとされるデータセンター計画が進む見通しとなった。

専門家は、巨大企業による急速な投資と地域社会の理解不足が対立の原因になっていると指摘している。

雇用創出と生活環境への懸念

データセンター開発側は、建設段階で数千人規模の雇用を生み、地域経済への波及効果が期待できると説明する。

一方で住民は、騒音や巨大な電力需要、景観の変化など生活環境への影響を懸念しており、自治体が十分な説明を行っていないと批判する声もある。

AIやクラウド需要の拡大に伴いデータセンター建設は加速しているが、地域社会との合意形成が大きな課題となっている。

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