応募コメント2,212件に眠っていた「日本人の睡眠悩み」
寝具ブランド「GOKUMIN」を展開する株式会社KURUKURUが、アンカー・ジャパンのオーディオブランド「Soundcore」との共同Instagramキャンペーンで集まった2,212件のコメントを全件分析し、日本人の睡眠悩みランキングを公開しました。
応募欄がリアルな声の宝庫になった、ちょっと異色の取り組みです。

悩みの1位は「腰痛」だった
同キャンペーンは2026年4月16日から30日までの15日間、Instagramで実施されたもの。GOKUMINのマットレスとSoundcoreの睡眠特化型ワイヤレスイヤホン「Sleep A30」が当たるプレゼント企画で、応募条件として「睡眠環境や寝具の悩み」をコメント欄に記入する形式でした。
集まった2,212件を同社が全件分析した結果、最も多かった悩みは「腰痛・腰の負担」で474件、全体の21.5%を占めました。続いて「眠りの質(浅い・夜中に起きる)」が413件で18.8%、「仕事による疲労」が196件で8.9%。上位3つだけで約半数に達しています。
興味深いのは、4位以降に「育児中の夜間起床」(120件)、「夫婦・パートナーの睡眠ストレス」(99件)、「騒音対策」(97件)といった、暮らしの関係性にまつわる悩みが並んだこと。睡眠の問題は個人の体調だけでなく、家族との距離感や生活音といった「環境」に深く根ざしていることがうかがえます。
見えてきた4つの潜在ニーズ
同社はこの分析から、従来のマーケティングでは捉えにくかった4つの新たなニーズを抽出しています。
ひとつは「夫婦の別寝室志向」。いびきや生活リズムの違いから、パートナーと寝室を分けたいという声が99件寄せられました。2つ目は「育児世代の慢性的な睡眠不足」で、母親だけでなく父親からも切実なコメントが届いたとのこと。
3つ目は「親世代への睡眠ギフト需要」。母の日や父の日に良い寝具を贈りたいという声が59件あり、睡眠が「贈り物」として認識され始めている兆しが感じられます。4つ目は件数こそ10件と少ないものの「運動後のリカバリー睡眠」への関心で、フィットネス層と睡眠市場の接点が見え始めた格好です。
販促が「対話」に変わるとき
このキャンペーンの起点は、2026年3月に麻布台ヒルズで開催された睡眠啓発イベントでした。寝具と音を組み合わせた体験ブースに約500名が来場し、その反響をオンラインへ広げる形でInstagram施策が企画されたといいます。
エンゲージメント率は15.78%。SNSキャンペーンとしては高い数値ですが、それ以上に注目したいのは、応募コメントの過半数に具体的な睡眠の悩みが綴られていた点でしょう。プレゼント目的の「とりあえず応募」ではなく、自分の困りごとを言葉にする場として機能していたわけです。
SNSの応募欄を生活者インサイトの採掘場に変えてしまうこの発想は、販促とリサーチの境界を溶かす試みとして、他業界にもヒントを与えるのではないでしょうか。眠れない夜の正体は、案外コメント欄の中にあるのかもしれません。






