収穫の4割が「消えていた」枝豆、8つの姿で百貨店に現れる
新潟県弥彦村の特産品「弥彦茶豆」を使ったアップサイクルブランド「YAHIKO UPCYCLING」が、全8種の新商品を開発。YAHIKO Avenir株式会社の発表によると、2026年8月12日から新潟三越伊勢丹で期間限定販売されます。

「幻の枝豆」なのに余っている
希少と廃棄が同居する矛盾
驚いたのは、収穫量の約40%が市場に出回っていないという事実です。
大きさや形が「規格」に合わないだけで、味も品質もまったく問題がない。それなのに、私たちの食卓には届かない。
スーパーに並ぶきれいに粒の揃った枝豆の裏側に、それとほぼ同じ数の「届けられなかった枝豆」が存在していたわけです。
規格外野菜を活用する取り組み自体は、近年さまざまな場所で見かけるようになりました。ただ、40%という数字はかなりのインパクトがあります。
弥彦茶豆は香りが高く甘みが強いことから「幻の枝豆」とも呼ばれる希少な茶豆。その4割近くが行き場を失っている。希少なのに、余っている。この矛盾が、プロジェクトの出発点になっています。
「もったいない」ではなく
8つの食シーンで素材を証明する


このプロジェクトが面白いのは、「規格外品をなんとか売る」という発想ではないところです。
開発された8商品のラインナップを見ると、その振り幅に目を引かれます。平飼い鶏肉と組み合わせた無添加ソーセージ「YAHIKO BATON」、茶豆の香ばしさを活かしたオリジナルラテ、希少なガンジー牛乳を使ったアイスクリーム、完熟前の茶豆で仕立てたポタージュ、さらにはパンや冷凍おにぎりまで。
ひとつの素材が、朝食にも、おやつにも、晩酌のお供にもなる。「もったいないから使いました」ではなく、茶豆という素材の可能性を8つの食シーンで証明しようとしている。
これはフードロス対策というより、地域の味覚の「引き出し」を増やす試みに近いのではないでしょうか。
規格外品が、弥彦村の新しい名刺になる

規格外品の活用と聞くと、どうしても「廃棄を減らす」という文脈で語られがちです。もちろんそれ自体は大切なことですが、YAHIKO Avenirが目指しているのは、その先にあるもののようです。
同社は地域商社として、生産者支援や地域ブランドの価値向上を通じた「地域資源を未来へつなぐ」持続可能な地域づくりを掲げています。
規格外の茶豆がソーセージやラテに姿を変えて百貨店に並ぶとき、それは「救済された食材」ではなく、弥彦村の新しい名刺になる。マイナスをゼロに戻すのではなく、ゼロからプラスを生み出す。その転換に、このプロジェクトの本質がある気がします。
私たちがスーパーで何気なく手に取る野菜の「形」は、誰かが決めた規格にすぎません。その規格の外側に、届くはずだった味がどれだけ眠っているのか。弥彦茶豆の40%という数字は、そんなことを静かに問いかけています。
YAHIKO UPCYCLING 期間限定販売
【販売期間】2026年8月12日(水)〜8月18日(火)
【会場】新潟伊勢丹 1階「NIIGATA越品」
【営業時間】10:00〜19:00(最終日のみ17:00終了)
【公式サイト】YAHIKO UPCYCLING






