年間最大30万トンの流木は、「かける」ことで価値になる

台風のあと、海岸に打ち上げられた大量の流木を見たことはあるでしょうか。元日本代表ライフセーバーが立ち上げた「株式会社オケアノース」が、その“厄介者”を素材にしたサングラス「Drift.」を発表しました。

年間最大30万トン
焼却ではなく“身につける”という選択

©株式会社オケアノース
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環境省・国土交通省の手引によれば、日本全国で年間約9〜30万トンもの流木が発生しています。気候変動で大型台風や豪雨が増えるほど、山から押し流される量も膨らむいっぽう。

放置すれば水質悪化や発電所の取水口閉塞を引き起こし、処理するにも焼却が基本で、莫大なコストとCO2が出る。つまり流木は「どうしようもないもの」として扱われてきました。

その流木をバイオマスプラスチックと混ぜ合わせた新素材「ArgoDryas™」を、放電精密加工研究所と共同開発。フレームに練り込むことで、焼却されるはずだった木片がサングラスとして生まれ変わったのです。

ライフセーバーが本気でつくった「海仕様」

©株式会社オケアノース
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開発したのは、ライフセーバーとサーファーという「毎日海にいる」二人。だからこそ生まれた設計がいくつもあります。

たとえばフレーム側面のストラップ用の溝は特許出願中。水上で落とさないための工夫が、そのままデザインのアクセントになっています。オリジナルレンズカラー「NAGISA(凪紫)」は、「海をもっと綺麗に見たい」という素朴な欲求から開発されたもの。

通常の5倍もの試作を重ね、自然素材ゆえの個体差を「味」として活かすために全フレームにシリアルナンバーを刻印。ひとつとして同じものがない、という事実がちょっと嬉しかったりも。

"誰のものでもない流木"を
資源に変えた挑戦

©株式会社オケアノース

じつはこのプロジェクト、素材の調達段階から壁がありました。

流木は法律上「誰のものなのか」が曖昧で、安定的に集めること自体が難しかったそうです。同社は神奈川県の資源循環推進課と連携し、2025年度の官民連携事業「YAK」に採択されることで、その道筋をつけました。

災害廃棄物を価値あるプロダクトに変えるには、技術だけでなく制度の整理も必要だった。この地道さに、プロジェクトの本気度がにじみます。

初回は1,000本限定、税込26,400円から。正直、気軽に手が出る価格帯ではないかもしれません。けれど、かけるたびに「これは元々、海岸で朽ちるはずだった木だったんだ」と思い出す——その感覚こそが、このサングラスの本当の価値なのかもしれません。

流木入りバイオマスプラスチックサングラス「Drift.」

【発売日】2026年7月9日(水)
【販売】自社オンラインストア(okeanosjp.com
【価格】税込26,400円〜
【数量】初回1,000本限定(2026年8月中旬より順次発送)

Top image: © 株式会社オケアノース
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