Twitterで政府と市民が意見交換!とあるスペインの町長の取り組みがすごい…

政治や行政への参加方法として、インターネットを利用するケースはここ数年で急速に一般的になってきています。例えば、日本でもニコニコ動画で政治家の話を聞いて、リアルタイムで意見交換するような場面も当たり前になりました。

しかし、具体的なアクションにつながるのか? と聞かれるとまだまだという感も否めません。

ブログメディア「Medium」に投稿されたMIT Media LaboのDeb Roy氏と、William Powers氏によるレポートでは、スペイン・アンダルシア州にある小さな町、フーンの町長が実践した新しい取り組みが紹介されています。

なんと、住民から政府へ、Twitterで具体的な「依頼」を行えるシステムをつくってしまったのだとか。

町民のみなさん、
Twitterに登録を!

José Antonio Rodríguez Salas町長は、テクノロジーの力で多くの問題を解決できると信じている人物。2011年に町民3,500人に対してTwitterのアカウントを取るようお願いし、町の問題解決に使っていくことにしました。

では、実際にどんなふうに使われているのか?こんな事例があるようです。

1.壊れた街灯を見つけた人が、町長にツイート。
2.10分後に町長から「翌日直します」との返信が。投稿には業者のアカウント名までが入っていました。
3.投稿を確認した業者は、ツイートを基に修理に対応。対応後には街灯の写真を撮り、業務完了を表すハッシュタグ「#JunGetsMoving」をつけて、その画像を投稿しました。

このシステムを取り入れる前までは、電話のやりとりだけで1日かかってしまうなんてこともあったようですが、時間だけではなくコスト面でも大きく改善されました。
さらに、過去には、町長が議会にネットを通じて参加したこともあるのだとか。

「まるで地域の新聞みたいだよ」
(町民談)

その他にも、事故の連絡や騒音問題をTwitterで警察へ通報することも可能になりました。

さらには、町のイベントの宣伝や、地元のスポーツチームのフォロー、病院の予約やご近所付き合いまで、生活のあらゆる場面でTwitterを利用することで、町全体の動きをリアルタイムで確認することができるのだそうです。

確かに、身近な地域の最新情報を常に確認することができるとなると、かなり便利ですよね。

日本でも千葉市が
同様の取り組みを開始中!?

実は千葉市でも同じような取り組みが行われているようです。同市ではスマホアプリ「ちばれぽ(ちば市民協働レポート)」を2014年の9月から本格的に導入。

補修が必要な設備を見つけた市民が、位置情報と写真付きのレポートを送信。市民と市役所が情報を共有し、修繕や課題解決にあたるシステムです。ページを見てみると、受付済み・対応中・対応済み、それぞれの件数がわかるようになっています。

千葉市によれば、街灯の電気切れの点検ひとつとっても、市民に頼ることで年間100万円単位のコスト削減を見込んでいるそう。


もちろん、報告のツイートは自由投稿のため、いろいろな課題が寄せられます。問題が“見える化”することで「対処しなければ」という心理が動き、対応件数が増える効果も。

行政活動におけるインターネットの利用は、まだまだ難しい点もたくさんあります。しかし、今後は市民と行政の間をつなぐような意見交換の場がネット上にあれば、もっといろんな解決への糸口が見つかりやすくなるかもしれません。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。