【悲報】人類は、8月13日に「地球上の資源」1年分を使い果たしていた。
去る8月13日、2015年をまだ4ヶ月以上も残して、人類は“タイムアップ”の日を迎えてしまった。「アース・オーバー・シュート・デー」地球が1年間に生産可能な環境資源を、人間の需要が使い果たす日のことを指す。つまり、今この時点ですでに、地球への借金生活が始まっているわけだ。
これは、環境問題の国際シンクタンク「Global Footprint Network」が、独自に算出したもの。自然環境保護団体と協力し、経済活動が地球生態系の許容範囲内で行われるよう、持続可能な利用を呼びかけている。その一環として、毎年発表しているのがアース・オーバー・シュート・デーだ。
自然界から供給される野菜や果物、肉、魚、木材、衣類用の綿にいたるまで、それら地球の資源を使い果たすと、あとは未来の資産から、貯金を切り崩しながら利用していくほかない。
2014年は8月19日、2011年は8月27日、2000年は10月だったというから、年々、人類の浪費は激しさを増していることが分かるだろう。
ところで、人類が赤字傾向に陥ったのは1970年頃。「当時は12月の最後の数日間でアース・オーバー・シュート・デーを迎えていた」と、「IFLScience 」の記事は伝えている。
「70年代初頭より、人類の消費量が自然界の生産能力を上回り、現在、その量は当時の2倍を超えています。年間を通して、我々は地球約1.6個分を消費してしまっている現状なのです」
毎年、区切りの日を算出しているGlobal Footprint Networkの責任者Mathis Wackernagel氏は、こう危機感をよせる一方、世界中で議論が続く「石炭、石油、天然ガスなど化石燃料の段階的抑止が実現すれば、資源の浪費に歯止めがかけられる」と持論を展開。
Global Footprint Networkとパートナーシップを組む、世界自然保護基金(WWF)の試算では、2050年までに世界の人口はおよそ97億人に達する見込みだ。食物、水、エネルギーの需要も当然ながら倍増すると予想される。ただし、「先行きが暗く絶望的だという訳ではない」とWWFは見ている。
例えば、ソーラーパネルの普及・設置、農場での農薬や合成肥料の使用削減、さらにはサステイナブルな商品開発など、未来を見越して原資に手をつけずに、我々が生活するためのアクションは少なくない。
Reference:IFLScience , Global Footprint Network , WWF