わずか60秒でマイチャリを電動アシスト化させる「最強ホイール」。これはヤバそう!
どんな自転車でも電動アシスト仕様に変えてしまえる、魔法のようなホイールが開発され、いよいよ商品化決定というニュースがアメリカから届きました。自転車業界に革命が走る!?
工具不要、装着1分!
前輪を着け替えるだけ
そもそも、自転車自体をイノベーションしたのかといえばさにあらず。ボストンのGeoOrbital社が開発したこのホイールは、愛用の自転車の前輪を外して付け替えることで、“電動アシスト化”させるコンバージョンキット。厳密には、26インチと700Cのタイプ2種類に適合します。
いささかゴツめの前輪にはなるけれど、バッテリー、モーター、そしてタイヤが一体となり、他は一切自転車のビジュアルに影響を与えることはありません。装着にかかる時間も同社によると、わずか60秒!工具も必要ないんだそう。
たとえば、どうしても子どもを乗せたママ仕様の電動チャリに、これまで手を出せずにいたサイクリストたちも、前輪を交換するだけとあればどうでしょう?何よりそのパフォーマンスがスゴいんです!
タイヤの内側に車輪が3つモーター動力でタイヤが回転
この「GeoOrbital」の仕組みがこちら。モーター動力によって、前輪の内側にある大小3つの車輪がタイヤを回転させるというもの。つまり、ペダルを漕いで動力を伝える後輪とは別に、前輪のみでアシストするGeoOrbitalを取り付ければ、まるで4WD車のように両輪駆動に。「雪道だって問題なし」と開発者が豪語するだけのパワーを秘めているようですが、さすがに雪の上では自転車も走りにくい(笑)。
500wのパワフルモーター6秒で最高時速32キロまで加速
GeoOrbitalに搭載されたモーターのワット数は500W。このパワフルな動力により、初速からわずか6秒で時速32キロのトップスピードに到達。しかも、スピードに乗れば、ペダルを漕がなくてもぐんぐんと、勝手に進んでしまうというんだから。坂道だってスーイスイな訳です。
さらに、1回の充電で48キロから80キロの走行が可能。この振り幅を制御するのがハンドル部に設置するコントローラー。こちらもワンタッチで装着できるもの。
空気が抜ける心配なし。パンクレスタイヤを使用
そして、タイヤにはパンクレスタイヤを履かせるこだわりよう。上の写真はそのデモンストレーションで、実際にタイヤに釘を打ってみせる場面。当然、空気が抜けるという心配も不要です。
じつは、ここにGeoOrbital誕生の秘訣アリ。チャールズ川を隔ててボストンの対岸に位置するケンブリッジでは、都市部の交通渋滞緩和や駐車場不足を補う策として、通勤の足に自転車を呼びかけているそうです。GeoOrbital社はそこに目をつけ、快適かつ誰でも簡単に取り付けができ、さらに忙しい朝夕の時間に決してパンクしないタイヤを、このホイールで実現。自動車の代用となるエシカルな研究開発が背景にあったというのもイマドキでいい話ですよね。
2016年5月現在、Kickstarterにて出資を募っているものの、すでに目標額を825%と遥かに上回る資金調達に成功。このことからも注目の高さが伺えます。先行予約では699ドル(約7万6,000円)で購入が可能。
なんですが……時速32キロ出てしまうとなると、日本では電動アシスト自転車としては認められないため、公道を走ることはできないですよね。でも、ちょとこれは気になる話題でしょ!