なぜ「ドミニクアンセルベーカリー」は、革新的なデザートを生み出し続けることができるのか?

またしても「やられた!」、こう心の中で本音を飲み込んだ人がどれだけいるだろう。「ドミニクアンセルベーカリー」の最新作は、なんとおにぎり!でも、何度驚かされたって一向に“慣れっこ”にならないのは、この店のデザートがつねに想像の遥か先をいくからだ。

想像もつかないメニューが
次々と誕生するワケ

ライスミルクのソフトクリームを、海苔を使った香ばしいワッフルコーンで挟んだ「おにぎりソフトサーブ」。てっぺんには梅干しジャムが。1個750円(税込)。

ショットグラスの形に焼き上げたクッキーに、バニラ風味のフレッシュミルクを注いだ「クッキーショット」。1個480円(税込)。

バニラアイスをマシュマロで包んだ「フローズンスモア」は、オーダーを受けてからバナーで焦げ目をつける。1個750円(税込)。

夏限定のユニークなソフトクリームが、日本人のソウルフード「おにぎり」型で登場するとは。見た目だけでなく味もしっかりソレになるよう、海苔や梅干しをデザート食材に用いている。これが単に奇をてらったものでないことは、一度でもこの店のデザートを口にした人なら分かるはず。

柔軟なインスピレーションと独創的な表現力で、まったく新しい提案を次々と仕掛け、「料理界のゴッホ」とも称えられるペイストリーシェフ、ドミニク・アンセル。目で見て楽しく、味わって楽しい。さらに言えば、想像を大きく裏切られることが楽しくて仕方ない。こんなペイストリーが他にある?

2013年、世界に衝撃を与えた
元祖“ハイブリッドスイーツ”

2013年、VRヘッドセットのオキュラスリフトや3Dペンと並んで「TIME」誌が選ぶ「最も優れた発明品25」に選出されたのが、ドミニクの名を世界に知らしめた「クロナッツ」だ。

クロワッサンとドーナツを組み合わせたハイブリッドなこのデザートは、フランスとNYのデザートを独自にアレンジし、イノベーションすることで生まれた、ドミニクのアイデンティティとも呼べるもの。

発売以来SNSを介し、デザート史上最多の口コミを生み出したクロナッツは、どれだけヒット商品となろうとも、毎日店で焼き上げ、作りたてを提供するこだわりよう。リピーターが多いのも頷ける。

「創造を止めてはいけない」

この店を称して、よく「ニュージェネレーションベーカリー」という表現があてられる。これだけの人気店、ペイストリー界における“ネクストウェーブ”であることは間違いない。では、従来のペイストリーにない新風はどこから吹いてくるのだろう?

ここに、料理人ドミニク・アンセルの「哲学」を最もよく表した言葉がある。

Dont let the creation kill the creativity

ひとつの素晴らしい創造が新たな創造を止めてしまわないように、つねにどんどん新しい創造をしていくこと──。

日持ちのする焼き菓子を中心に、毎日同じものを作るペイストリーのトラディションとは対極。絶えずアップデートを繰り返しながら、革新的でモダンな味を生み出すことに情熱をそそぎ、変革に怯えたり、現状に満足しないことがドミニクの信念だ。

世間のニーズ(潮目)を読み解くことよりも、誰にもマネのできない革新(うねり)を自らつくり出していく。そこに、“新世代”と人々が讃えるドミニクのデザートの核心があることは、疑う余地がないはず。

現に、世界初の海外出店と話題を呼んだ昨年6月のオープン以来、つねに新商品開発が行われ、これまで実に100種以上の新メニューが登場している。

革新に挑み続ける
フード業界の潮流

新鮮なスイートコーンのみずみずしい甘みと、表面を焼いた時の香ばしさを同時に体感できる「クレーム デュラ コーン」。美味しさが凝縮された芯まで粉砕してトウモロコシの旨味を抽出している。1個1,000円(税込)。

この夏のもう一つの看板ソフトクリームが「クレーム デュラ コーン」だ。来日中のドミニクが惚れ込んだスイートコーンの魅力を活かしきった、インパクト大の逸品を求め、連日開店前から長蛇の列ができている。

美味しさと同時に「体験」を共有し、ときに個人の「記憶」ともリンクさせてしまうデザートがドミニクの魅力。おやつの定番クッキーとミルクから発想を得た「クッキーショット」しかり、キャンプを彷彿させる「フローズンスモア」しかり。ありがたいことに、焼きトウモロコシやおにぎりで、日本人の郷愁も誘ってくれた。

革新に挑み続けるドミニクの姿勢は、どこかでフェラン・アドリア(『エル・ブリ』元オーナーシェフ)やレネ・レゼピ(『ノーマ』オーナーシェフ)ら、世界のトップシェフたちに見る「食の創造」へのチャレンジに通づるものがある。

そこには、「世界一」にあぐらをかく姿なんてない。つねに革新を求めて。フード業界のこうした潮流は、間違いなくペイストリーの世界もエキサイティングに変えようとしている。

Licensed material used with permission by DOMINIQUE ANSEL BAKERY JAPAN
「クロナッツ」、「フローズンスモア」、「クレームデュラコーン」、これまで数多くのメディアがどれだけドミニクアンセルベーカリーを紹介しても、ユニークすぎるお...
この春、銀座の街を歩く人たちの手にするバルーン(これは透明のもの)を注意深く見てほしい。もしも、膨らんだ中に何やら小さなお菓子を見つけたら、それは「空飛ぶ...
“フレッシュなとうもろこしをバター醤油で香ばしく焼き上げ、とうもろこし味のソフトクリームにとうもろこしジャムをトッピング”。神宮前にあるドミニクアンセルベ...
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なことーー。
平成元年に醸造された熟成酒が平成最後の年に満を持して登場!
都市伝説好きは聞いたことあるかもしれない名門「ロスチャイルド」家が生んだ「シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド」。お世話になった会社や家族の繁栄にだ...
ブルックリン発のベーカリー「BAKED」の代表作は、ダークチョコレートを使ったブラウニー。フランス料理協会ベストデザート賞など数々の賞に輝くこの味を...
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介。現在、ニースと東京・原宿に『KEISUKE MATSUSHIMA』を構える、オ...
フリトレー社のスナック菓子「チートス」といえば、世界40ヵ国で販売されている人気商品。チェダーチーズの濃厚な味わいと食感がクセになっている人も多いのではな...
みんなで料理を持ち寄るホームパーティー。何を持って行こうか迷ったら、ワインによく合うしょっぱいクッキーはいかが?
同国の済南市では、多くの人が住みやすい街をつくるということで、ペットの飼い主を採点するシステムが導入されています。最悪の場合、ペットは一時没収……。
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なこと。ーー日本人はひとつの味を同じように、一定の条件の許で食べてい...
同じ日本と言えども、関東と関西では食文化に大きな違いがあることはご存知のとおり。食を通して異文化体験ができてしまう。では、その違いってどこにあるかちゃんと...
大分県では昔から、お刺身などを食べたときに残った “切り身の端っこ”をタレに漬け込んで保存する食文化がありました。ちょっと不思議な名前の料理「りゅうきゅう...
健康志向のニューヨーカーたちが集まり行列ができるという、アンガスビーフ100%のハンバーガー。でも、素材にこだわっているのはそれだけじゃありません。アイス...
2016年5月10日、NYのユニオン・スクエア・パークで開催されたとあるフードイベントで、5,000食のランチが無料で振る舞われたそうです。調理を指揮した...
「Spiritual as Fuck(めっちゃスピリチュアル)」というメッセージが書かれたヨガマットです。
プラスチック容器に入った定番の屋台フードでありながら、ホテルのレストランでも提供されるカオニャオマムアンは、いわばタイの定番スイーツ。簡単なレシピなので、...
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なこと。──ぼくにとって「食」とは、どんな問題も解決へと導いてくれる...
クリスマスへのカウントダウンが始まっている。日本ではクリスマスといえば、お馴染みのチキンとケーキ。欧米では、家庭でジンジャークッキーを作ることが多いみたい...
もしも2〜3年前にペルー料理の名前やうまいペルビアン・レストランの名前を挙げろと言われたら、きっと僕は「セビチェ……」としか言えなかったと思います。しかし...
指先サイズの天津飯やカツカレー、うな丼などなど。これがすべて「アイシングクッキー」だなんて信じられます?アイシングクッキーといえば、インスタジェニックなア...
サクラ気分を演出するピンク色は、ラズベリーとヨーグルト。
白いプリンに赤いソースが華やかなこのスイーツは、イスラエルの「マラビ」というもの。大切な来客のおもてなしや、祭事につくってみんなで食べる、特別感のあるデザ...