忘れられない記念日に、どうしても警察官を「お茶会」に招きたかった2歳の少女
テキサス州ローレットに暮らす2歳のベクスリー・ノーベルちゃん。今年7月、彼女はお母さんに用意を手伝ってもらい、ティーパーティーを企画しました。ゲストはたった一人だけ、彼女にとって大切な人物でした。
大切な思い出の日に
年の差カップルのティータイム
少女のお茶会に招かれたのは、地元警察官のパトリック・レイさん。屈強な体をできるだけ小さくかがめ、今にもずり落ちそうなお尻をちょこんと小さな小さな椅子に乗せ、笑顔でお茶を酌み交わす警察官と、おしゃれに着飾った2歳の女の子。
普通に考えれば、どうしたって不釣り合いなこの年の差カップルなのですが、このお茶会からちょうど1年前、2本の糸を強く結びつける、ある事件が起きました。
誤ってコインを飲み込み呼吸停止の少女を救出。1年前の感謝を込めて
2015年7月26日、当時1歳10ヶ月だったベクスリーちゃんは、自宅で誤って小さなコインを飲み込んでしまいました。通報を受けて駆けつけたのがレイさん。現場に到着する数分間にベクスリーちゃんの呼吸は止まり、意識を失った状態で発見された、と「NBC」のローカルは書いています。
「彼女の目をみたとき、大きな青い瞳がこう語っているように思えたんです。『わかってるよ、私のことを助けに来てくれたんだよね』って」
懸命な蘇生処置のおかげで、この後少女は意識を取り戻し、大きな声で泣き出しました。その声を「これまでの人生の中で最も美しい音色に思えた」、と自身も二児の父であるレイさんが応えました。
彼の制服に装備されていたボディカメラが、緊迫の一部始終を捉えていたこともあり、この救出劇はすぐさまニュースで拡散。そして二人は“時の人”に。
「命の恩人」へ
最高のおもてなしを
最高のおもてなしを
感謝の気持ちをティーパーティーで。そう発案したのはベクスリーちゃんのお母さん(タミーさん)。彼女にとってもレイさんは命の恩人。1年前の事件をきっかけに、人々を支え続ける警察官のイメージを変えていきたいと思うようになった、と感謝の気持ちを「Huffington Post」のインタビューに彼女は応えました。
ここに紹介した写真も、この日のためにわざわざカメラマンを雇い、二人のお祝いを記念に残そうという目的からだとか。
あの日以来、レイさんへの感謝を一日も忘れたことがないというタミーさん。これに対し、命の恩人はインタビューにこう返しました。
「この先ベクスリーが成長していく姿を、家族を築いていく未来を見守っていくことができるんだから。彼女だけじゃない。僕だって、とってもラッキーなんですよ」。
ところで、ベクスリーちゃんが飲み込んでしまったあのコイン(1ペニーだったそう)。事故からまもなくして無事にお腹から出てきたんだそう。タミーさんはそのペニー硬貨を磨き上げ、レイさんの名前が入った十字架とともにキーチェーンを制作。大切にしているんですって。