レジ袋有料化から1年。エコ意識をさらに高めたイギリスの中間報告

エコ意識への高まりは世界規模で広まり続けています。たとえばスーパーやコンビニでもらうレジ袋の有料化。ゴミを減らすだけでなく、温暖化対策にも貢献できる。確かにこうした広義のメリットは誰もが知るところ。

けれど、目に見えて効果が現れるものでもない分、“自分ゴト化”しずらい側面もあるんじゃないかと。そういう意味で言うと、このイギリスの調査結果は人々の意識向上に大きくつながっている事例でしょう。

レジ袋有料化から1年、
経過報告で成果を発表

スコットランド、ウェールズ、北アイルランドですで実施されていたにレジ袋の有料化にイングランドが舵を切ったのは2015年の10月のこと。それまで年間約76億枚近く、タダで配られてきたレジ袋の削減が目的でした。

有料化の結果、およそ90%の買い物客がマイバックを持参するようになった、と伝えたのは、経済社会総合研究所(ESRC)が支援しカーディフ大学と民間企業による共同調査チーム。イングランド、ウェールズ、スコットランドに暮らす3,000人を対象に、有料化の前後1ヶ月、半年後、そして今回の1年後と追跡調査を実施し、分析していきました。

結果、これまで4人に一人が手にしていたレジ袋が有料化を機に7%ほどにまで減っていることが判明。このことからも、一様の成果はあったことが分かります。

成果や変化が目に見えれば
モチベーションはさらにUP

けれど本当の成果は、そこに示された数値以上にインパクトがあるように思います。

たとえばこちら、海洋環境保全に努める「Surfers Against Sewage」のアンディ・カミンズ研究員は、有料化により数十億単位で削減されつつあることで、イギリス周辺の海洋ゴミからもレジ袋が徐々に減少している事実を報告しています。目に見えるかたちでここにひとつ。

また、研究を指揮したウーター・プアーティンガ教授も、有料化が浸透したことで、ゴミ問題に対する意識が変わり、人々の思考や行動にポジティブな影響を与えているとしています。

いまスーパーでの買い物だけでなく、ドーバーストリートやブリックレーンといったロンドンのファッションストリートでも、エコバッグを手にする人が増えているといいます。有料化の支持率が51%から実施後62%にまで上昇したことからも、国民の意識向上は明らか。

同教授はペットボトルのデポジット返金や、コーヒーの紙コップ有料化など「次なる施作の導入も現実味を帯びてきた」と自信をのぞかせるコメントを残しています。

ひとつのアクションや目の前の取り組みが、どうやって形(成果)として現れるのか。本当の意味で結果が出るのは、人間の一生よりもはるか先の未来のこと。そうだったとしても「いい方向に変わっている」、それを実感できたなら。モチベーションはきっと今より数段上がるはずですよね。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。