失われたものを取り戻す。ポートランドで今「カセットテープ」なワケ

ポートランドでは音楽事情も独特なのでは?という期待のもと、街のレコードショップを訪ね歩いている時、あることに気がつきました。

カセットテープの棚があるんです。しかも、けっこう豊富な品揃え。レコードならともかく、いまさらカセットテープ?

日本ではもはやラジカセを持っている人もほとんどいないのに、いったいどういうこと?

『Little Axe Records』オーナーのジェドに話しを聞きました。

ーーカセットテープって売れてるの?

WHAT?? 日本ではカセットテープって全然見かけないのか?アメリカではカーステレオで音楽を流す時のために、細々とテープが売り続けられていたんだけど、逆に今キテるんだ。

音楽配信に慣れた若いヤツらにとっては、テープって媒体は新鮮に映るんだ。それにテープならヤツらが見たことも聞いたこともないバンドの音源もたくさんあるから「宝探し」ができる。値段的にも気軽に買えるしね。中古テープなら3ドルぐらい、CDや音楽配信よりもずっと安い。だろ?

なぜか日本のシャンソン歌手、島本弘子のテープも発見。しかもサイン入り!!!
 
ーーこんなの一体どこで仕入れるの? 
 
あぁ、ヤードセールや蚤の市でテープを集めて来ることが多いかな。これもポートランド在住の日本人がガレージセールをやったときに買ったものだね。じつは売っているのは中古品ばかりじゃないんだ。最近はバンドがテープで作品をリリースすることも増えてきてるよ。
中古品だけでなく、新作もテープで!?そのあたりの事情をさらに詳しく調べてみました。

テープはチープで時代遅れ。
だからこそ良い

こちらは、レーベルとレコードショップを運営する『Exiled Records』のスコット。版権の切れたレア盤を自身のレーベルで再販したりと、ポートランドの音楽シーンを支えている人物のひとり。

ーーなんでこんなにカセットテープが流行っているの?

少し前はレコードで新作を発表することが流行っていたけど、今は段々とテープで自主制作するケースが増えている。なぜなら、レコードと比べてテープは制作費が安くて済むからね。特に若い売れてないバンドにとっては好都合。

それに、個人的にはテープは劣化の仕方も新鮮だね。たとえテープが伸びちゃったりしても、その音が逆に面白いんだ。ポートランドではテープだけでなく活版印刷も流行っているんだけど、デジタルで失われたものを改めて見直す流れが来てるんだろうね。

大きなレーベルから売り出してデータで簡単に配信するよりも、自分たちの手でカセットテープを1000個売るほうがカッコいい。ここではみんなが当たり前にそう思ってる、そういうことだよ。

ツアー中に立ち寄ったミュージシャンが持ち込んだ自主制作したテープなどを中心に、コツコツと集めて広がっていった品揃えが魅力のExiled Records。
なかでもスコットのおススメは、独特なノイズサウンドが特徴のバンド、WOLF EYE'Sの『DREAD』というアルバム。これ、中古ではありません。2001年にレコードでリリースされた音源が、わざわざ最近カセットテープで再販されたものなんです。

改めて手に取ると、程よい厚みと質感のカセットテープは、「音楽を所有して持ち運んでいる」という感覚を満たしてくれます。

カセットテープもラジカセも、もう処分してしまった…という人も多いはず。

万が一、まだ家のどこかにまだある!という人は、これをキッカケにもう一度引っ張り出して聴いてみては?
思ってもみなかったほど、新鮮な体験が出来るかもしれません。

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