自転車とビール。ある意味ギリギリなイベントをポートランドで体験!
日本でも盛り上がりを見せるクラフトビール。実はこれ、もともとアメリカからスタートしたムーブメントなんです。大手ビールメーカーの作る大量生産のビールに満足できないビアフリークたちが自分たちの手で納得のいくビールを作ろうとしたのがコトのはじまり。
ビールなくしてポートランドは語れない
まさにDIY魂の結晶とも言えるクラフトビールは、もちろんポートランドでも大人気。市内のスーパーでもこの通り、フリーザーは全部クラフトビールで埋め尽くされています。その数なんと、およそ1000種類。
ポートランド市内には59もの醸造所があり、それぞれが個性ある地域密着型のビールを造っています。街のいたるところにタップルームと呼ばれる醸造所併設のビアレストランがあり、ポートランダーたちは昼間から当たり前のようにビールを楽しんでいます(たとえ仕事中だとしても!)。
今回訪れたのはイーストポートランド地区に醸造所とタップルームを構えるTHE COMMONS BREWERY。設立して10年立たない若手ブルワリーながら、多くのコンペティションで受賞している実力派。
もちろん、スタッフのアレックスもビアフリーク。話し出したら止まりません。
「セッション系」から「ファームハウス」へ
ーー最近流行ってるのって、どんなタイプのビールかな?
ここ数年、こっちのクラフトビールシーンでは、「セッション系」というジャンルが人気だったんだ。ホップ感や味わいはしっかりと備えながら、昼間から飲むことができる低アルコールのビールだね。タップルームで飲んだり、グロウワーという専用のボトルに生ビールを詰めて、持ち帰ってキャンプしながら飲んだり、みんな思い思いの方法でビールを楽しんでいるよ。
最近、僕たちのところで作っているビールのなかでも特におすすめなのが「ファームハウス」というタイプのビール。もともとベルギーの農家が作っていたビールで、野生の酵母を使用しているのが特徴だね。昼間に農作業をしながらでも飲めるぐらいアルコールも低いし、一種のセッション系ビールとも言えるね。ちなみに日本でも僕たちのビールは販売されてるぜ!
こちらがTHE COMMONS BREWERYのタップルームで提供しているトライアルセット。どれも4%ほどの低アルコールながら、しっかりと濃い味わいです。
特に右から2番目のファームハウス系のビールは酵母や微生物に由来する複雑な酸味と香りがあいまって、今まで味わったことのない香り高いビール!
みんなでサイクリングに出掛けた帰りに僕たちのタップルームを訪れる人たちもいるよ。この間は20人ぐらいのサイクリストたちが来たよ!スポーツとかアウトドアの最中や、終わった後にビールを飲む人たちが多いんだよね。
「自転車とビール」ーー意外(!?)なふたつのキーワードが繋がってしまうところが、やっぱりポートランドならでは。
自転車とビールの「やっぱり!」な共通点
アレックスの話を聞いて向かったのは市街の倉庫街。そこでは、「BIKE & BEER」という実にストレートなネーミングのイベントが!!
これは、ポートランドを中心とした自転車ビルダーの展示会とクラフトビールの試飲会を同時に行うという風変わりなもの。
みんなビールを片手に自転車談義に花を咲かせています。
話しを聞かせてくれたのは、Machine Bicycle Co.という市内に工房を構える自転車ビルダーのスタッフ。
ーーなんで「自転車とビール」のコラボなの?
もともとハンドメイドの自転車は既存の交通機関に頼らないで、自分たちの足で移動するための手段として盛り上がってきたんだ。クラフトビールも同じさ。
”自分たちの手で自分たちが好きなものを作る”っていう文化。万人にウケる必要はなくて、ほんの少しの人に面白がってもらえればそれでいいんだ。地元に密着してることも自転車とビールの共通点だね。
じつはポートランドも日本と同じく自転車の飲酒運転は違法。それでもこんなイベントを実現してしまうあたりがなんともこの街らしい、という気がします。
みんな自転車は押して帰るハズ。
(※この記事を見てイベントに参加してみたいと思った方は、くれぐれもご注意を!)
会場ではアメリカのスーパーで見掛ける4本パックや6本パックのビールを積めるキャリアがついた自転車も発見。こういう自転車とビールのコラボレーションなら日本でも楽しめそうですけどね!