海の中のやさしい「瞳」に恋をした女性フォトグラファー
海の中でクジラの瞳をのぞき込んだ瞬間、それまでの人生がガラっと変わっていく気がしたんです。なんていうのかな、あの目を見てしまうと、人間はきっと誰でも謙虚になるんだと思う──。
フリーカメラマン:Rita Kluge
ともに泳ぎ、体を寄せあう
カメラマンとザトウクジラ
シドニーのノーザンエリアに暮らすカメラマンRita Klugeは、クジラの海中撮影にのめり込んでいったいきさつを、「The Guardian」にこう語った。
一連の作品は2015年、ザトウクジラが出産シーズンを迎えた大西洋トンガの沖合いで撮影したもの。
怖がらずに、脅かさずに、ゆっくりやさしく近づいていけば、彼らに触れられるくらいの距離で一緒に泳ぐことができるの。
うっとりする、夢のような時間──。
クジラは同じようでいて、みなそれぞれ性格もバラバラ。だから、彼らが何を求めているのか、そこを感じ取ることが大切なの。
あるとき、体長4メートルくらいのザトウクジラの子どもが直立したまままっすぎ私の方に近づいてきたの。まるで人間の子どもみたいに興味津々そうに。「ねえ、遊ぼうよ!」、無音の水の中で、私はその声を聞いたんです。
海を愛し、サーフィンを愛する彼女。ケリー・スレーターや、スケートボード界のアイコン、トニー・ホークを敬愛するRitaもまた、クジラの撮影を除けば、生活のほとんどを海洋生物や野生動物たちの保護にあたるNPO団体へ、精力的に参加する日々だそう。
Reference:The Guardian