ステレオタイプをぶち壊す「理系好き女の子」のための服
男の子=電車やロケット、女の子=花柄やハート。色でいえばブルーにピンク。大人のもの以上に、子供服にはこれら定着したイメージが、今も色濃く反映されています。ジェンダー不要論が出るのも当然でしょうが、このママたちの考えは、女の子の創造力や可能性を限定させないことに重きを置いていたようです。
ピンクのシャツにロケットや恐竜。これが、シアトルのJenifferママとMalorieママが始めたブランド「BuddingSTEM」。
女の子だって恐竜やロケットが好き
なのに、売り場にないのはナゼ?
まずは、このアパレルブランドを立ち上げるきっかけをつくった二人のママの実体験から紹介します。
Jenifferママ
3年前のハロウィン、当時4歳だったJenifferの娘さんは、宇宙飛行士の仮装をしたいと答えました。二人でコスチュームをカタログを取り寄せて見てみると、どれも男の子のが衣装を着ている写真ばかり。小さな女の子は「ママ、宇宙に行けるのは男の子だけなんだね」。それからというもの、娘さんは宇宙飛行士の仮装をしたいと言わなくなったんだそう。
Malorieママの話
ある年のクリスマス、娘がサンタクロースに宛てたリクエストの手紙に「電車のプリントが入ったパンツ」とあるのを目にしたMalorieママ。子供服売り場を見渡しても、もっぱらそれらが男の子用しかない現実に落胆したと言います。
同じフラストレーションを共有したママ二人が、手を取り合うのに時間はかからなかった、と「Huffingtong Post」は伝えています。
女の子らしく振舞おうとすることと、彼女たちの興味を閉ざしてしまうこと、そのどちらかを選ばなきゃいけないなんて、今の時代にまったくマッチしない考え方だとママたち。
子どもだって、大人と同じように着るもので自分を表現できるし、好きなこと、興味のあることの話しをするように、洋服が表現手段のひとつである世の中であってほしい。
それには…。
自分たちでオリジナルのブランドをつくるしかない!
ステレオタイプに囚われない
すべての子どものための服
こうして、「サイエンス、宇宙、恐竜、電車…が大好きな女の子たちのための」アパレルブランドBuddingSTEMは誕生しました。
電車やロケットが男の子のモチーフである必要はない。もちろん逆を言えば花柄だってハートだって女の子限定とは限らない。ステレオタイプなジェンダーイメージのマーケットとは別の視点で、ものづくりに挑んだ結果、目標額を大幅に超える資金が二人の元へ。
「幼少期の子供服は、子どもたちの認知や好奇心の形成に大きな影響を与えます。サイエンスに興味のある女の子のためにも、こうした服をつくることは重要だと信じています」。
実際スタートしてみたところ、同じママたちからの共感、リクエストの多さに驚いた。とJenifferママ。
子どもの可能性を広げる
選べる自由と楽しさを
Tシャツ、レギンス、ワンピース、ロンパースなどが中心の衣類。モチーフはロケット、飛行機、電車、恐竜、ホタル、カエルとバラエティも豊富。オンラインショッピングでは、残念ながら現時点では日本への出荷はないみたい。
ガーリーなロゴや、お姫様チック、ピンク推しがメインストリームの現状に、違和感を感じる人たちが増えいる。少なくともアメリカはそのようです。子供服売り場の多様性がどんどん広がっていくって、ひとりの親としても楽しくなってしまうトピックスでした。