ドイツのリサイクル率が高い理由は、意外にシンプルだった。
日本では当たり前のようにある「学校の掃除の時間」ですが、世界的に見るととても珍しい文化だとよく言われます。「みんなのものをみんなで大切に」という教育がされているからこそ、公共の場所がきれいに維持されることにも繋がっている、と。
しかし、そんな日本もリサイクル率ではまだまだ後進国と言えるかもしれません。その高いリサイクル率が注目されるドイツでは、小さい頃からのリサイクル教育が身を結んでいるのではないか、と話題になっています。「Inc.」のJustin Bariso氏がまとめていたので、紹介したいと思います。
リサイクル率
日本は19%、ドイツは65%
「Organisation for Economic Co-operation and Development」の調査によれば、アメリカのリサイクル率は35%、日本はなんと19%なのだそう。日本はゴミの分別も細かいし、資源回収もたくさんあるので、リサイクルも進んでいるのかと思いきや、先進国の中ではかなり低い数値なのです。
一方のドイツはリサイクル率が65%と、調査国の中ではダントツの数字を誇っています。いったいなぜ、これほどまでにリサイクル率が高いのでしょうか。
子供の頃から
ゴミの分別を徹底
ドイツでは、幼稚園に入る前から、ゴミの分別や再利用についてのしつけがされるのだそうです。Bariso氏の住んでいるところでは、緑のバケツには生分解性の廃棄物、青いバケツにはダンボルや紙、その他のものは銀色のバケツ、と色分けされているのだそう。
ドイツ人の中では、「分別しても、結局ゴミの行き着くところはいっしょなんじゃないの?」と疑問に思っている人もいるようですが、それでも彼らは分別を続けるのだそうです。なぜなら、そういうふうにやるのが当然だと思っているから。
キャッシュバック制度が
さらなるリサイクルへ
面倒臭いとついつい分けずに捨てたくなってしまうペットボトルですが、アメリカではペットボトルをリサイクルに出すと、5セントが返ってくるという仕組みもあるそうです。
お金が返ってくるだけでも驚きですが、ドイツではなんと25セントに設定されているそうです。どこのスーパーマーケットにもボトルを回収するマシンがあり、日常生活の中に、よりリサイクルの習慣が組み込まれているそうです。
リサイクルを進めるには
教育と対価が必要?
Bariso氏が実体験を通して感じたのは、やはりリサイクル率が高い秘密は子供の頃からの習慣づけと、少しでもキャッシュバックが付いていることが大きいのかもしれない、とのこと。
確かに、学校での教育やゴミの分別、スーパーマーケットでのボトル回収、一部キャッシュバックなどは日本でも見かけるものです。これらをより徹底して仕組化していくことで、日本のリサイクル率もさらに向上させていくことができるのかもしれません。
Justin Bariso氏:作家・企業コンサルタントとして活動。2016年LinkedIn Management and Culture.部門にてTop Voiceとして注目された。2017年春にはエモーショナルインテリジェンスに関する興味深い調査や最新事例、個人のストーリーなどをまとめた新刊「EQ,Applied」を発売予定。