インドの大気汚染問題に対する、MITメディアラボ独自のアプローチ

大気汚染の問題は、とりわけ、急速な発展を見せる東南・南アジアで深刻だ。発電所や工場、建設現場やごみ焼却など様々な理由が考えられるが、中でも自動車は主要因だろう。とはいえ、現地の人々の大切な足となっているだけに、利用を制限するのもなかなか難しいはず。

それならば、その排気ガスを有効利用してしまえばいいのでは?という発想の転換からスタートしたのが、ここで紹介するプロジェクト。

問題解決への第一歩

MITメディアラボが主導するプロジェクトは、自動車の排気ガスから煤(すす)を採取して無毒化したのち、インクに変えるという画期的なもの。そして、そのインクを搭載したペンが「AIR-INK」だ。

こちらが実際の採取の様子。独自の装置を自動車のマフラーに取り付ける模様。それにしても、とんでもなく酷い黒色…。

重金属や発癌性物質を煤から除去。市場に出ているものと同じくらい安全なインクに生まれ変わるとのこと。

ちなみに、インドで45分間自動車を走行させると、30mlの「AIR-INK」に必要な煤を採取できるらしい。逆にいうと、理論上は、30mlの「AIR-INK」を使い切れば、その分の大気汚染を防げるということに。

アイデア自体は優れていても、実用性に問題があればなかなか普及しづらい。しかし、この「AIR-INK」は、その課題もクリアしていると言えそう。たとえば、香港のアーティストKristopher Hoは、以下の通りその使い心地を絶賛している。

エコフレンドリーな選択肢をもたらしてくれるだけでなく、とてもクオリティが高い。インクが濃くて、デコボコした面にも滲みなく描くことができるよ」

現在、「Kickstarter」で製品化へ向けたクラウドファンディングを実施中。目標額14,000シンガポールドル(約111万円)に対して28,800シンガポールドル(約229万円)もの調達に成功している。

たしかに、このプロジェクトで減らすことのできる大気汚染物質の量は、環境問題をドラスティックに解決するには少なすぎるかもしれない。でも間違いなく、すべてはこうした一歩から始まるはず。目標額の倍以上となる出資金が、賛同や期待の何よりの証明ではないだろうか。

Licensed material used with permission by Graviky Labs, facebook
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