コーヒー好きの私が「おいしいパン」を求めるとき、絶大な信頼を置く博士がいる。
シアトルで「I Love Coffee」(こちら日本語版)というサイトを始めて、もうすぐ5年が経ちます。コーヒーのサイトを運営していると、やっぱりコーヒー関係の仕事をしていたからとか、コーヒー好きが高じてサイトを始めたとかって思う方が多いのですが、8年前にシアトルに引っ越すまで、じつはコーヒーが嫌いで一切飲まない人生を送っていました。
でもそんな“飲まず嫌い”だった私に、シアトルがコーヒーのおいしさとそこを取り巻く文化を教えてくれたんです。
ご飯とコーヒーは
なんであんなに相性が悪いの…
そもそも、なぜコーヒーをそんなに毛嫌いすることになったかというと、小学校の時、ホカホカのご飯にお茶と間違えてコーヒーをかけて食べてしまったことからでした。
ご飯とコーヒーってどうしてこんなに相性が悪いんでしょうか。20年以上私をコーヒーから遠ざけた魔の組み合わせです。コーヒーをご飯にかけたことがなくても、ご飯を食べながら熱いブラックコーヒーを飲むことを想像してみてください。なんか食べ合わせ悪いですよね?
この相性の悪さの理由を知ってる方がいらっしゃったら、ぜひ教えてほしいくらいです。
パン博士が選ぶものは
コーヒーとの相性も100%
ご飯とコーヒーの相性の悪さとは正反対に、パンとコーヒーの抜群の相性の良さは…なんでしょうね、例えるならピッチャーとキャッチャー、サウナと水風呂くらいの「セット感」があります。
コーヒーを飲むようになってからは、パンに興味を持つようになりました。私がおいしいパンを求めるときに、絶大な信頼を置き、密かに「パン博士」と呼んでいる人物がいます。それは「パンラボ」主宰の池田浩明さんです。
パン好きの人ならば、一度くらいは池田さんの名前はどこかで聞いたことがあるはずです。パンに関する雑誌や本を見ればほとんどの確率でその名前を発見できます。
池田さんが紹介してくれる全国津々浦々のパンは、写真を見るだけでも口がおいしくなる感覚に陥るようなパンばかり。気になったものはメモしておき、そのお店の近くに行くことがあれば買いに行くんですが、本当に間違いないです。
コーヒーとも100%の確率で合います。池田さんを知るきっかけも不思議なパンとコーヒーの相性からでした(パンラボ、要チェックです)
担当の編集者さんも
パンとコーヒーが大好きだった
そして、話は遡ることちょうど2年前。
アメリカで私のコーヒーサイトが書籍化され『Coffee Gives Me Superpowers』という名前で出版されました。その私の英語の本をサンドウィッチとラテがおいしくて有名な「Camelback Sandwich & Espresso」という東京のカフェが置いてくれていたのです。
そして、パンとコーヒーが大好きな「ある人」がそのカフェで私の本を手に取り興味を持ってくれたのです。その「ある人」こそが現在の私の担当編集者さんなのであります。彼のおかげで日本でも『シアトル発ちょっとブラックなコーヒーの教科書』という名前の本を出版する運びとなりました。
そしてその編集者さんは、たくさんパンの本を手がけています。そう、その著者はパン博士こと池田さんなのです。私と池田さんは同じ編集者さんの元で本を出しているという、コーヒーとパンが繋げてくれた縁。
相性ばっちりです!
そんな嬉しい縁があり、つい最近日本で本が出版されたこともあって、現在は日本滞在中です。日本はおいしいパンがたくさんあって、いい感じのパン屋さんを見つけると吸い込まれるように入っていっては
「家に帰って、おいしいコーヒーと一緒に食べよっと」
と、ワクワクしながらパンを買って帰る日々を送っています。