巨大な網「パカブ」ってなんだ!? フランス生まれのアトラクションが日本初上陸
かつてイエスは、4人の漁師を弟子にする時に言いました。「今から後、あなたは人間を獲る漁師になる」と。そのうちのひとりは、のちの初代ローマ教皇。イエスの死後も後継者として世界中に名を馳せ、多くの人々を教えに惹き込みむこととなります。
カトリック国として名高いフランスからやってきたこのアトラクションを知ったとき、私はついそんなことを思い出してしまいました。
巨大網の中にいるのは、たくさんの人間。これは文字通り、漁師の編んだ網に掛かれるアトラクション。漁業が盛んな小さな島「グロワ島」でうまれた「パカブ」という遊びで、この夏日本に初上陸するレジャーなのだそう。
空中に浮かぶ網の迷路で
マイペースに遊ぶ新レジャー
「パカブ」は空中に設置された巨大な網の空中迷路。足元の部分は固定されていないので、地上3~8m、下が透けて見える状況でゆらゆら揺れたり跳ね上がったりすることができます。
幅広い年齢層をターゲットにしていて、遊び方も無限大。ハンモック気分でのんびり寝たいインドア派も、中でサッカーやドッジボールをしたいアウトドア派も、自分の好きな遊び方を見つけることができるそう。2008年に考案されてからヨーロッパで人気となり、以来広まりつつある新進気鋭のレジャーなのです。
でもどうしてまた、こんなものがフランスの小島から生まれたんだろう?実はそこには、まさに網で人間の心を捕らえたストーリーがありました。
過疎化が進むちいさな島で
魚網が人々を繋ぎ止めた
美しい海に浮かぶ漁師の島、グロワ島は、若者の島離れや漁師の高齢化に頭を悩ませていました。そこで、漁業で使われる網やロープを使ったレジャーを考え、お年寄りの元漁師や、仕事がないために島を離れようとしがちだった若者のために、新しいビジネスを立ち上げることにしたのです。
結果、このチャレンジは大成功。島の経済もうるおい、若者離れも食い止められたのだとか。文字どおり、漁師の網が人々の心を掴みとり、島おこしに大きな役割を果たしたのです。
世界最大級の
「パカブ」が神奈川に
そんな想いの詰まったアトラクションが、今年の夏、神奈川県の足柄森林公園にやって来ます。なんとここに設置される「パカブ」は世界最大級のものとなる予定。使用される網はグロワ島の元漁師さんの手で編まれたもので、設営にも島から担当者が来日。ちょうどただ今準備中で、7月下旬にオープンします。今年の夏は木漏れ日の中、巨大網で思い思いに遊ぶのもいいかもしれません。
公式サイトでは躍動感溢れる動画もチェックできるので、ぜひ見てみてください。