ずっと好きなバンドの、いちばん好きなアルバムです。
かき氷屋さんの店長にして、話題のバンド「ねこね、こねこね。」のメンバーという異色のプロフィールを持つ、むらまつえりかさん。かき氷の大いなる可能性(?)を語っていただいた前回につづいて、今回からむらまつさんがずっと大切にしている5つの“オール・タイム・フェイバリット”をご紹介。ひとつめは、こちら――。
夜の音楽、『ソルファ』の魅力
むらまつえりか:『ソルファ』はアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の2枚目のアルバムなんですけど、作品全体の雰囲気が夜っぽくてすごい好きで。「夜の向こう」っていう曲もあるし、「海岸通り」とかも夕方っぽいですし、「振動覚」も深夜から朝にかけてみたいなイメージがして。
結構、夕方から明け方前くらいの曲の雰囲気が好きですね。とはいえ昼間っぽい曲も好きなんですけどね(笑)。
今でもアジカンがいちばん好きですね。ずっと変わらないです。アジカンだけはCDを全部持ってて。発売したらすぐに買って、絵画のように集めていますね。
――アジカンがきっかけでギターを弾くようになって?
むらまつ:ギターを弾いてみようと思ったのはチャットモンチーがきっかけですね。チャットモンチーのいちばん最初の赤いアルバム(『耳鳴り』)を聴いて、「あっ、女の子が弾いてもかっこいいんだ!」って思って、それで自分でもギターをはじめました。
で、アジカンを聴いた時はベースを買いました(笑)。『NARUTO』の主題歌になってた「遥か彼方」を聴いたら、最初のベースがすごいかっこよくて。それでベースを買って、イントロだけ弾いて満足して。それ以来ベースは弾いてないので、全然やってるうちに入らないんですけど…(笑)。
バンドに目覚めたきっかけ
――『ソルファ』に出会った当時のことは覚えてますか?
むらまつ:通ってた塾に、「すごい『ソルファ』が良いんだよ!」って言ってる男の子がいて。知り合いじゃなかったんですけど、その“ソルファ”っていう言葉がすごい耳に残って、「何だろう?」と思って。
で、聴いてみたらびっくりするくらいかっこよくて。もともと音楽は好きで、小学生の時はDo As Infinityとかが好きだったんですけど、バンドのかっこよさに目覚めたのはアジカンがきっかけですね。バンド・サウンドにハマったきっかけ。すごいグッときました。
その後はコーネリアスとか、実験的な音楽を聴くようになって。最近は青葉市子さんとか、歌とギター1本のシンプルなものもよく聴きますね。ダフト・パンクとか、エレクトロ系とかも聴いてます。
はい、最近「あっ、良いな」って思うのは、“耳心地の良いもの”が多いかもしれないですね。
2004年10月に発表されたアジカンの2ndアルバム。バンド初のオリコンチャート1位を獲得した記念碑的作品で、2016年には新たにレコーディングし直した再録盤も発売された。ちなみに“ソルファ(sol-fa)”とは音階の“ドレミファ”の意。