「Air BnB」のビデオは見たほうがいいよ!――ベンのトピックス

今回のベンはちょっとパンクです。ヤバい(ぐらいおもしろい)ミュージックビデオを紹介します。キム・ゴードンの『Air BnB』です。

最初に言っておくと『Air BnB』のミュージックビデオにはテキストしか出てきません。その理由は一番最初に発表されます。

“This video was going to be shot in an Air Bnb. There wasn't any money though to make it.”(このビデオはエアビーアンドビーで撮影する予定でしたが、制作費用を集めることができませんでした)

その後もこんなテキストがどんどん続きます。

“Think faux mid-century modern, on top of the Hollywood Hills”(ハリウッドヒルズの上にある偽物のミッドセンチュリーモダンの邸宅を想像してください)

“I would have been crawling along the floor over the shag carpet with my guitar.”(私は毛足の長いカーペットの上をギターを持って転がっていたでしょう)

“There are black and white photos of other cities on the wall…the Eiffel Tower, The Empire State Building, The Pyramids of Egypt…”(壁には他の都市のモノクロ写真があります……エッフェル塔、エンパイヤステートビル、エジプトのピラミッド……)

“Everything looks new”(すべてが真新しく見える)

わかるでしょう?

このビデオは、ステレオタイプなミュージックビデオを思いっきり皮肉っているんです。しかもテキストだけで。

僕はすごくこの皮肉に共感します。だって、フェイクなバンドやミュージシャンは、たいていハリウッドヒルズのエアビーアンビーを借りて、お決まりのパターンのビデオを撮影しているから。

そういうミュージックビデオには人格がない!

なにもおもしろくない!

だけど、世の中には“そういうミュージックビデオ”がたくさんある。だからこそ、『Air BnB』みたいなカウンターなミュージックビデオはとてもおもしろいと思う。

ところで、この曲はソニック・ユースのメンバーのキム・ゴードンの初めてのソロです。ソニック・ユースは、本物のアンダーグランドレジェンドだと思う。ソニック・ユースのTシャツは人気があるけれど、実際にソニック・ユースの音楽を知っている人は少ないよね。ベンは『デイドリーム・ネイション』と『GOO』が好きです。Tシャツで人気なのは『ウォッシング・マシーン』だけど……。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。