毎日フィッシュアンドチップス?――ベンのトピックス

みなさん、こんにちは。

SNSでちょっと話題になったイギリスの食べ物に関するシリーズへようこそ、おかえりなさい。

(イギリスの朝食についての最初の記事を読んでくれた人はいますか?もし読んでないなら、こちらがリンクです)

今回は昼食へと話題を移します。イギリス人は昼食に何を食べるのでしょうか?

じつは、この答えはイギリス人である僕にも難しい。朝食なら答えは簡単です。イングリッシュ・ブレックファーストがその代表でいいでしょう。だけど、昼食で「これがイギリスだ!」というメニューは難しい。

とはいえ、僕はイギリスの食に関する記事のミニシリーズをはじめました。だから、それを紐解くのは僕の役目です。

避けては通れない、あのフィッシュアンドチップスについて

僕にはまったく理由が分かりませんが、なぜか日本の人々はイギリス人が昼食にフィッシュアンドチップスを食べると信じているようです。イギリスの食の話になった時、フィッシュアンドチップスという単語を口にしない日本人に会ったことがありません。

だけど、みなさんのイメージとは裏腹にフィッシュアンドチップスは多国籍料理です。魚(タラ)をフライにする習慣は、ポルトガルからのユダヤ系移民によってもたらされたと考えられています。

たしかに、フィッシュアンドチップスは約150年に渡りイギリス文化の一部ですが、それはちょうど日本で牛肉の食肉が習慣となった期間とほぼ同じです。

フィッシュアンドチップスの人気は、実際イギリス史の重要な一面を物語っています。それは工業化です。トロール漁業と流通のための鉄道網の発展によって、イギリス国内の各都市で新鮮な魚が食べられるようになりました。イギリスと北欧を隔てる北海で穫れる魚と、比較的生産が容易なジャガイモを使って簡単に調理することができるフィッシュアンドチップスは、イギリス産業革命と一緒に全土に広がりました(料理が文化的な影響力を持つということの一例です!)。

では、僕たちイギリス人は昼食にフィッシュアンドチップスを食べるのでしょうか?
 
昼食どきに地元のチッピーズ(Chippies:ロンドンではフィッシュアンドチップス専門店をこう呼びます)の前を通ると、いつも地元の子ども達が列を作っているのを見かけます。だけど、それは定番の昼食とは言えないと思います。日本におけるラーメンのようなもので、もちろん昼食としても食べることもありますが、毎日の昼食とは言えないと思います(毎日は健康に悪そうだし)。
 
ここでひとつトリビアをご紹介しましょう。
 
みなさんはイギリスに行った時に「フィッシュアンドチップス」を注文することができません。というのも、イギリス政府が何の魚が売られているのか表示する法律を定めたからです。したがって、注文する際には、「タラアンドチップス」だったり「ハドックアンドチップス」、もしくは「ヒラメアンドチップス」を注文することになります。

イギリスの国民的昼食とは!

結論を言いましょう!

一般的に、イギリスで昼食でもっともよく食べられているものはサンドイッチです。

「なんだその答えは?」と思う人もいるかもしれない。だけど、これは日本のおにぎりだと考えてください。

サンドイッチもおにぎりと同様に種類はいろいろあります。

素敵な手作りサンドイッチもあれば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで売っているものでもあります。もっとも人気のサンドイッチはおそらくハム・チーズ・チキンがブラウンブレッドもしくはホワイトブレッドにはさまれたものでしょう。

サンドイッチには季節やイベントも関係あります。

クリスマスにはターキーやクランベリーソースのものがあり、ロイヤルウェディングではスモークサーモンやクリームチーズが使われます。イタリア式のグリルで焼いたパニーニもイギリスでは人気がありますね。

サンドウィッチの利点は、調理が簡単で便利な食べ物であるということです(おにぎりと同じ!)。

もうひとつ典型的なイギリスの昼食といえばベイクドポテトでしょう(最近ではサツマイモを使ったベイクドポテトもあります)。ここでも、ジャガイモは汎用性が高く、様々なトッピングができます。チーズ、サワークリーム、ベーコン、チャイブ、チリソースなど枚挙にいとまがありません。安価で調理が簡単。なぜなら日本とは違ってたいていのイギリスの家庭には大きなオーブンがあります。オーブンで焼くことは私たちの料理文化の非常に大きな部分を占めています。きっとイギリスのベイクドポテトは日本人にも受けると思います。僕は焼き芋やたこ焼きといった料理と味のベクトルが似てると思います。

どんどんいきましょう。僕がもうひとつ挙げたい昼食のメニューがサンデーローストです。これもイギリスの国民食。個人的に言わせてもらえば最高の料理のひとつです!

サンデーローストは伝統的に家庭で作られるもので、その名が示すとおりたいていは日曜日に食べます。そして、きちんと調理するためには数時間を要します。この料理の基本となるのはローストビーフで、牛肉以外にも羊肉や豚肉、鶏肉が使われることもあります。肉汁で絡めます。また、ハーブ、スパイス、オート麦、ナッツを混ぜたスタッフィング、ローストポテトやヨークシャープディング(卵と小麦粉、牛乳で作られる甘くないふわふわもちもちとしたシュークリームの皮のようなもの)、さらにブロッコリー、にんじん、パースニップもしくはサツマイモなど、野菜をつけ合わせます。まったく同じレシピでサンデーローストを作る家庭はありません。この点では、日本の鍋料理と似ているかも。

もっと知りたい?

実際にはイギリス人は非常に多様な料理を食べているので、一つの記事でそれら全ての情報を考慮することはかなり難しいです。

言うまでもなく、ロンドンはおそらく世界のどの都市よりも、外国料理の選択肢があります(もしも訪れる機会があれば、ありとあらゆる国や地域の料理を見つけられるでしょう)。

みなさんがもっと知りたければ、イギリス国内の外国料理について書くことも考えています。あるいは、ロンドンで最高のフィッシュアンドチップスを食べられる場所について記事を書くこともできますよ(笑)。

Top image: © DronG/Shutterstock.com

おすすめ記事

ベンが書いた、ほかの記事はコチラ

ハロウィンが終わると、ほとんど日を置かずにクリスマスの気配が漂い始めます。お店にはクリスマスのための新商品が並び、食品陳列棚もクリスマスの食べ物、至るとこ...
みなさん、ベンのトピックスにお帰りなさい!今日はベンの告白の日です。イギリス人のイメージと言えば紅茶ですよね。綺麗な庭での優雅なアフタヌーンティー、真冬の...
もしも2〜3年前にペルー料理の名前やうまいペルビアン・レストランの名前を挙げろと言われたら、きっと僕は「セビチェ……」としか言えなかったと思います。しかし...
僕が生まれた国のイメージを日本人に聞いてみると「英国紳士」「エリザベス女王」といった回答のほかに、しばしば「ご飯がまずい」と返ってきます。正直、これには毎...
ことわっておくと、僕はヴィーガンではありません。肉が大好物だし、牛乳もたくさん飲みます。けれど、ヴィーガンへの理解を深めたいと思っているひとりです。
2019年のフェスティバル・シーズンのピークになってますよね!今週、ベンはサマーソニックに行ってきます。で、 今回のトピックはベンが何回も行ったことあるし...
みなさん、ベンのトピックスにおかえりなさい! 今日のトピックは、日本メディアですでに話題になっているけど、この記事で違う視点で紹介したいっていう内容……...
みなさん、ベンのトピックスですよ!今回のトピックは、いま世界中のシングルさんの日常生活に普通にあるものについてです。ということで、テーマは「マッチングアプ...
「シークレット・シネマ(Secret Cinema)」は、ファビアン・リガルがロンドンで始めた映画上映アトラクションです。2007年にスタートしてから、観...
日曜日のイギリスの朝といえば「サンデー・ロースト」。発祥であるヨークシャーでは、昔から日曜日に肉を食べる習慣があるそう、その際に食べるロースト肉のことを総...
今回のベンはちょっとパンクです。ヤバい(ぐらいおもしろい)ミュージックビデオを紹介します。キム・ゴードンの『Air BnB』です。
恋愛が似合う街、パリ。これに頷けるかどうかはさておき、チュイルリー庭園やルーブル宮殿、エッフェル塔やモンマルトルの眺望にロマンティックのかけらもないという...
日本でも80'sカルチャーが見直されていますが、それはヨーロッパでも同じ。エリオ・フィオルッチによって1967年に設立されたブランド「FIORUCCI(フ...
今回は、僕の故郷であるイギリスにおける比較的新しい風習を紹介したいと思います。例えば11月(November)には、口ヒゲを生やして募金活動を行い、男性の...
「竹内まりや」がヨーロッパでも人気になっている理由をYouTubeのアルゴリズムをあげました。今日は、そんなYouTubeで成功している「キング・オブ・ア...
日本にはイギリスファッション好きな人が多いですね。韓国や台湾とは違ってイギリスブームは長く続いていて、いろいろな流行りが日本にやってきたと思います。
イギリスでこのコーラルピンクのカードを持っていれば、若者は「あっMonzo(モンゾ)を使ってるんだね。どんな感じ?」と声をかけてくるはずです。
僕は新しい環境に慣れるのは上手なほうだと思いますが、それでも大学に入学した頃はつらかったし、TABI LABOで働き出した時もつらかった。もっと若い時には...
日本人にはドナルド・トランプの魅力が理解しがたいという話を何人かの友人から聞きました(信じてほしいのですが、イギリス人だって同じです)。彼の派手で荒々しい...
僕がこの記事の中で「Love Symbol #2」を使っていることをお許しいただけるといいのですが……。