「ドライ・ジャニュアリー」イギリスで加速中のトレンド――ベンのトピックス

今回は、僕の故郷であるイギリスにおける比較的新しい風習を紹介したいと思います。
 
例えば11月(November)には、口ヒゲを生やして募金活動を行い、男性の健康問題に取り組む慈善団体への寄付をするという「モーベンバー(Movember)」取り組みがあります。では、1月は?
 
近年盛んになってきているのが「ドライ・ジャニュアリー(Dry January)」です。
 
英語ではドライという言葉は、もちろんウェット の反対語です。そして、アルコールは大半が液体ですからウェット、つまりドライ・ジャニュアリーとは、1月の間はアルコール抜きで過ごそうというトレンドなのです(ドライジンやアサヒスーパードライもありますが、それらのドライはまた別の話ですね)。

背景にあるのは、イギリスの“飲みニケーション”的圧力です。

日本人と同様、イギリス人もお酒が大好き。両国において社交のための飲酒は文化の一部と言ってもいいでしょう。
 
日本では同僚や友達と一緒に居酒屋で一杯やることは、楽しみ以上の意味を持っていますよね?仕事上のコミュニケーション(飲みニケーションという言葉を僕も知ってますよ!)としても重要なイベントです。これはイギリスも同じです。外出時にお酒を飲まないと、みんなの楽しみを台無しにするつまらない人間と見なされることもあるぐらい。社会的な圧力と言えるかもしれない。良し悪しはさておき、日英ともにそういうカルチャーがあります。
 
違いがあるとすれば、居酒屋とパブの違い。日本は食べて飲む文化ですが、イギリスは飲んで飲んで飲んで泥酔する文化です(笑)。そのせいでアルコールに関する問題を抱えてしまった人を何人も知っています。僕自身、イギリスにいる頃は、頻度も量も今よりも多かったと思います。
 
さて、そんなイギリス社会において、ドライ・ジャニュアリーが盛り上がってきているのは新しい潮流と言えるでしょう。
 
スタートは2014年。アルコール・コンサーンという慈善団体が、アルコール依存症と戦う人のサポート目的にはじめたのがきっかけです。ドライ・ジャニュアリーに参加する理由は人それぞれです。ある人は募金のためのスポンサーを得るために、ある人は自身の飲酒に関する問題を解決するために、1ヶ月間アルコールを断ちます。
 
でも、一番の理由は「新年を気持ちよくスタートするため」だと僕は思います。多くの人たちが大晦日のパーティーでタガを外して乱痴気騒ぎをした後、新年になって正気を取り戻します。そして、社会全体で自己改善への気運が高まってくる。イギリスでは、新年のこの時期になるとジムに入会する人が急増し、健康食品店やサラダバーがもっとも繁盛します。男女問わずダイエットをはじめる人も増えます。オフィスでは、ケトン体ダイエットや5:2ダイエット、水ダイエットなどなどが同僚との話題にのぼるようになり、ランチには炭水化物の多いメニューのかわりにサラダをチョイスする人が目立つようになります(あくまで一般論です。僕個人は、ダイエットは苦手。美味しいものに妥協したくない!)。
 
同様に、一時的にアルコールを断つことは明らかに減量や健康維持に効果を発揮するでしょう。
 
最近では禁酒はひとつのトレンドでもあります。トランプ大統領はアルコールを飲まないそうですし、ザック・エフロンも飲まないとか。昨年末には、セックス、ドラッグ、ロックンロールのアイコンであるキース・リチャーズが「もう飽きた」と言ってアルコールとドラッグをやめたことが話題になりました(笑)。
 
そういった世界的なトレンドも含めて、ドライ・ジャニュアリーは今後も広がっていくように思います。

その本質は?

僕はなにも生涯アルコールをやめようと言いたいわけではありません。それどころか1ヶ月という期間でなくてもいいと思ってます。
 
ドライ・ジャニュアリーの本質は、断酒すること自体にあるのではなく、自分の生活のなかでアルコールの役割を見つめ直すことにあると思うのです。
 
飲み過ぎた12月を経て、1月にそれをすることはとても意味があるはずです。一定期間断酒することは、肝臓を休める意味もあるだろうし、睡眠パターンにいい変化があるかもしれない。その後のお酒との付き合い方がもっとよいものになることだって想像できます。
 
ドライ・ジャニュアリーの実践方法はそれぞれでいいと思うのです。
 
最後に、今年ドライ・ジャニュアリーを実践をしようとして、1月5日に飲んでしまった僕の記事を最後まで読んでくれてありがとうございます。
Top image: © DisobeyArt/Shutterstock.com

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