フィオルッチの復活――ベンのトピックス
日本でも80'sカルチャーが見直されていますが、それはヨーロッパでも同じ。
エリオ・フィオルッチによって1967年に設立されたブランド「FIORUCCI(フィオルッチ)」が、今華々しく復活を遂げています。
1970〜80年代、ミラノのファッション業界におけるキープレーヤーだったフィオルッチ。そのグラマラスなスタイルは80年代を象徴するイメージとなり、当時ショップでは大規模なパーティーやコンサートが開かれていました。顧客に名を連ねれていたのは、カルバン・クライン、マーク・ジェイコブスといったデザイナー、さらには歌手のマドンナといった有名人。フィオルッチは僕たちにストレッチジーンズをもたらした偉大なブランドです。
しかし、80年代も末になると経済難に陥り、ニューヨークのショップは閉店。買収された後、新たなスタートを切ろうとするもうまくいかず、結局フィオルッチは当時の勢いを取り戻せず。最後に残ったミラノの旗艦店も2003年には閉店。15年にはエリオ・フィオルッチ自身がその生涯に幕を閉じました。
ところが!
2015年に転機が訪れました。
フィオルッチブランドを保有していた伊藤忠商事株式会社は、ヴィクトリアズ・シークレットの元CEOジェイニー・シャファーに権利を売却。シャファーは、ヨーロッパやアメリカの80年代ファッションブームに乗り、フィオルッチを再興するために、主要デパートやオンラインストアでポップアップを開設。UK版「HARPER'S BAZAAR」のインタビューで「70〜80年代と同じ年齢層の若者に刺さっている」とシャファーは語っています。勢いに乗ったフィオルッチは、ジジ・ハディッド、ヘイリー・ボールドウィン、ケンダル・ジェンナーといったミレニアルズに愛用されるブランドになりました。
そして、世界中の注目が集まるなか、17年9月にはロンドンのブリューワー・ストリートに新店舗をオープン。
僕も行きました(笑)。
ここはすごいです。3階建て、約400㎡もある広い店内には、フィオルッチのキーアイテムである「エンジェルズ」のTシャツや、ビニールのパンツなどが並び、ブランドの50年の歴史をいかしつつ、トレンドが感じられるラインナップになっています。
とくに印象に残っているのは、ちょうど去年の今頃、クリスマスシーズンです。店内にはアイスリンクでスケートができるようになっていました。しかもセッコを飲みながら。
ちょっとバブルっぽいかな(笑)。だけど、店舗ではオンラインショップでは購入できない限定商品も販売しているし、ロンドンに行く機会がある人は、足を運ぶ価値がありますよ。
TOP PHOTO: ©️FIORUCCI
REFERENCE: HARPER'S BAZAAR