世界の人気作品でつくる「ワールド文学マップ」
文学作品は世界各国の言語や文化、美意識や歴史が反映されたその国の「鏡」のようなもの。どんな作品が好まれているのかを知ることは、その国を知るための重要な手がかり。
各国で愛されている文学作品を世界地図にあてはめたアートワークを紹介します。みなさんは、どの国のどの作品が気になりますか?
日本は
夏目漱石『こころ』
本の表紙を反映した世界地図。日本を拡大してみてみると、夏目漱石著『こころ』が選ばれていることに気づきます。高校の国語の教科書でも第三章の「先生の手紙」が掲載されているものが多く、この作品に触れたことのある人は多いはず。
では、他国で愛されている文学作品は、どのようなものがあるのか見ていきましょう。
ロシア
ロシアとナポレオンの戦争を描いた、ご存知トルストイの『戦争と平和』。
登場人物が559人も出てくる超大作で、複雑に入り組んだストーリーが特徴。戦争という激動の中で、若者たちが自らの人生を見つめる成長譚でもあります。
ヨーロッパ
複雑に入り組むヨーロッパからは、代表的なものをいくつかご紹介。
フランス
『巌窟王(モンテ・クリスト伯)』
アレクサンドル・デュマ・ペール著
無罪の罪で長い監獄生活を送った主人公エドモン・ダンテスが、脱獄した後にモンテ・クリスト伯と名乗ってから、自らに罪を着せた者たちに復讐を遂げる物語。
スペイン
『ドン・キホーテ』
ミゲル・デ・セルバンデス著
自らを伝説の騎士ドン・キホーテだと思い込んだアロンソ・キハーノは遍歴の旅へ出発。
イタリア
『神曲』
ダンテ・アリギレーリ著
地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部から成る長編叙事詩であり、ダンテ自身がこれらの3つの場所を巡っていくストーリー。
北米
カナダ
『赤毛のアン』
ルーシー・モード・モンゴメリ著
プリンスエドワード島の「グリーンゲイブルズ」に住むマシューとマリラの老兄妹は、孤児院から男の子を引き取るはずが手違いでやせっぽちの赤毛の少女、アンを育てることに。
アメリカ
『アラバマ物語』
ハーパー・リー著
アラバマ州で起きた黒人による白人女性への暴行容疑の裁判で、主人公であるジーン・ルイーズ・フィンチ(スカウト)の視点で白人陪審員の偏見と人種差別を描く。
アジア
中国
『紅楼夢』
曹雪芹著
「中国五大小説」の一つに数えられる作品。ひとつの石を巡る因縁から、主人公賈宝玉(かほうぎょく)の成長を描く物語へと発展。
ごく一部だけを紹介しましたが、まだまだ世界には数々の名作があります。気になる本を手にとって、読書の秋を謳歌するなんていかがでしょう。