「トゥクトゥク」の時代に、終わりが見えてきた。(東南アジア旅)

東南アジアに降り立って、トゥクトゥクに乗らないだって……?

シンガポールやインドネシアではもともと見かけなかったし、基本は安いからタクシー移動だけれど、タイやラオスで、あの無愛想で雑な「ヘイ!トゥクトゥク!」の呼び声を聞けなくなる未来が来るのかも。

そう思うと、窓がまっ茶になるほど汚れた空気や、けたたましいクラクション音が、無性に恋しくなった。

今や、東南アジアの移動手段で主流になっているのは『Grab』という、『Uber』と並んで人気なライドシェアサービスのアプリ。存在自体は知っていたけれど、これほど急速に普及するとは……。

ライドシェアの勢いは
もう、誰にも止められない。

Googleが、12月12日に発表した報告書によると、東南アジアではいま、1日に600万人がライドシェアサービスを利用している。2015年に比べると、たった2年のうちにユーザー数は4倍に。

ちょうど2015年にタイとラオスに行ったけれど、たしかに流行しているようには思えなかった。この緑色が街にあふれていた覚えもない。いまいちピンとこなかったから、Instagramで検索してみたら想像以上の投稿数。観光客・地元民問わず、本当に多くの人が使いこなしていた。

こんなふうにね。

(このシュールさがいいよね、東南アジア)

クレジットカードを登録すればキャッシュレスで利用できるし、ぼったくられる心配もない。個人的には値切り交渉も楽しさのひとつだとは思うけれど、お金の取引にいちいち気を使って、旅をするのは疲れるという気持ちもわかる。

移動問題を抱えているからこそ、ライドシェアの急成長という流れはたしかに当然だ。

気づいたら、東南アジアは
世界3位のネット社会に

Googleの報告書におけるメイントピックは、実はライドシェアではなくて【東南アジアのインターネットユーザー】について。

2015年から7,000万人増加していて、気づけば世界で第3位の3億3,000万人規模。特にオンラインショッピングに費やされる時間が長く、アメリカと比較して2倍の時間が費やされている総合的にみると、東南アジアのユーザー数は、すでに米国の人口を超えていたってわけ!

貧困問題を抱えてきた国の経済が回って、新しいサービスが日に日に導入されることに感動する一方で、土埃を受けながらガタガタの道を走る、いつまでもアナログなトゥクトゥクも失われてほしくないな〜。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。