ガンジス川がいま、「腐った花」で大変なことになっている。

少し前に、インドで花を売る男性たちのことを記事にしたことがあるけれど、彼らの暮らしに、マリーゴールドを主とした献花は絶対に欠かせない。

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Photo by Ken Hermann

フラワーマーケットには、こうして全身に花をまとって売り歩く人たちが毎日2,000人以上もいて、冠婚葬祭などに献花を求めるお客さんがあとを絶たない。

でも、毎日大量に消費されるであろう献花は、役目を終えたあとどうなっているのか?

なんでも流しているイメージが強いから、予想できると思うけれど、そう、最終的にはガンジス川行き。

と言っても、大切な儀式につかった献花を、彼らは「捨てている」つもりではない。むしろゴミとして燃やすことができないからこそ、神聖なる場所に「捧げている」という意識なのだそう。

そういうわけで、結果的に年間約800万トンもの花が川に放たれてしまっている。

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インドの花を、
「毒」で終わらせないために

この深刻な水質汚染を改善するために、立ち上がったのが『HelpUsGreen』だった。

彼らによると、国内には少なくとも60万以上の寺院があり、毎日大量の献花を消費している。そうして川に流された農薬まみれの花たちが腐ると、有毒となって魚が大量に死んだり、人体に影響を与えてしまうのだ。

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このままでは神を信仰する代償として、環境がどんどん汚染されてしまう。

現状を変えるためには、まずはこの川に流すものの量を減らすことから始めなければいけない。そういう思いで立ち上がった彼らは、毎日1.5トンの花を寺院から回収し、お香や堆肥、石鹸という新たな使い道を見いだすことに成功した。

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この仕事を担ってくれているのは、下層階級女性たち。男尊女卑が未だに定着しているインドでは、下層階級の女性が自立して働く状況をつくるのは困難な状況にある。

だからこそ、カースト制度に苦しんでいる女性たちを雇い、花の回収やお香づくりを任せて日当を渡しているのだそう。

包装紙からも、新たな芽を育てよう

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彼らの包装紙への取り組みは、過去にも詳しく紹介しているけれど、ここでもカンタンに。パッケージに神のイラストや、神聖なものが描かれている場合はゴミとして扱うことができず、消費者はまたガンジス川に流してしまうことがあるそう……。

それを踏まえた上で、彼らはプロダクトの包装にもこだわっている。植物の種を紙に混ぜてつくることで、自分たちの商品が再び川に戻ってしまう可能性を全てなくそうと考えたのだ。仮に捨てられてしまっても、その場で自然にかえって芽が出てくるという。

あくまで廃棄花への取り組みは、ひとつのきっかけでしかない。このサイクルが大きくなっていくほど、今のインドが抱えている問題を改善できる領域が増えていく。ひとつのことだけで完結しないのが、『HelpUsGreen』のムーブメント。

その根源にはいつも、自分たちが信仰する宗教や、伝統的な風習から国を傷つけてしまわないように。という想いがある。

Licensed material used with permission by Helpusgreen®, flowercycling®
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