輪島漆500年史のなかで、もっともセクシーな器。
人肌(ひとはだ)、本来は人の肌くらいのあたたかさを指すことば。では、「ヒトハダ」とカナで書いたとき、その印象はどう変化するでしょう。赤や黒の見慣れたはずの漆器に、はじめて目にする“いろ”が現れました。
これは、
ヒトハダに一番近い食器
漆は人の肌にとても近い塗料と言われているそうで、西洋の食器と比較しても手触りや口当たりに優れているんだそう。お椀を手に持ちすする、器が口に触れる機会が多い日本ならではの気づかいが、漆器を育んできました。
けれど今、それを手にする回数はめっきり減りました。きっと年に数えるばかり。
近年顔料の進化によって青、黄色、白、紫など絵の具のように色鮮やかな漆器も目にするようになりましたが、それとて日用のイメージがつきにくい。こういう人多いと思うのです。
正直に言えば、このシリーズ「IKI - by KOHEI KIRIMOTO」だって。
生活の道具ですから、使わなければなんの意味もない。それも承知のうえで手元に置いておきたい、そんなキモチになりました。もしかしたら、現代アートを手に入れるような感覚で、私の場合「飾りたい」という衝動なのかも。
なんでも、漆は自ら呼吸するそうです。こうした生きている素材であること、そしてその感触が肌に近いという特性を生かして、新たな漆との出会いをつくり出したのは、1700年代より続く輪島塗の老舗店。いつの日か家督を継ぐ若きブランドディレクターによって刷新された、“未体験の漆”。
まだお披露目されたばかりで、今後は海外でのブランド展開も計画中とのこと。それにしても、やっぱり「セクシー」という形容が当てはまるんですよねぇ。
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