きっと「#女の価値を決めるバッグ」では、誰の目にもとまらないけれど
今週、トレンド入りするほどTwitter界で話題になった、#女の価値を決めるバッグ。
ことの発端まで辿ってみて、ただ個性的なバッグを投稿しているだけのムーブメントではないとわかったけれど、大喜利大会になっている様子がおもしろくて、スクロールし続けてしまいました(笑)。
女の価値も男の価値も、バッグひとつで簡単にはかれるとは思わない。でも『大事にしているバッグ』には、持ち主しか知らない、大事なストーリーが隠されている。
街でも注目されないし、Twitterで『♡』に1がつくことも、きっとないけれど。
#捨てられないバッグ
20年くらい前に買った、エルメスのトートバッグ。社会人になって、はじめてボーナスが出たときに思い切って。15万くらいだったかな。
クタクタになるまで使ったから、革のハンドルもボロボロ。底面はほつれたりしているからタンスの奥にしまっているんだけど、当時の自分を思い出して、ずっと断捨離できずに持ってるの。
(43歳 H.Mさん)
奥さんと付き合ってから、初めてもらったプレゼント。もう10年以上前だなぁ……今でも、出かけるときはよく使ってる。
物に頓着がなかったんだけど、このバックを使ってからは、「高くても、ずっと大切にできる物を買ったほうがいい」って奥さんの考えに、共感できるようになった。
当時から、持ち歩くのは最低限の物だけだったから、このサイズがちょうどいいんだよね。
(36歳 Y.Sさん)
持ち手の部分が切れちゃって、一回リペアに出したんだけど、店員さんに「よくこんな昔の持ってましたね、もうパーツの在庫ないので、合わせて作ります」って言われました(笑)。
33年前、母が高島屋で買ったらしいPORTERのバッグです。5年くらい前に譲り受けて、大学で使ってました。ちょっと汚れたり傷はあるけど、革はくたびれてないし、今でも愛用してます。
(24歳 O.Mさん)
「あたしゃ、もう生きたって長くない。だから持ってても仕方ないんだよ」って言って、中学生くらいの時に譲り受けたロエベのショルダー。
当時は、色も見た目も「ダッサ……」て思ってたけど、その後ばあちゃんが他界して、形見になった。大人になってあのロエベ。しかも、今時こんなモデルないし。
捨てるに捨てれなかったものが、うん十年経って、今では宝物。
(41歳 S.Hさん)
10年くらい前に、付き合ってない男性からもらった、インドネシアの出張土産。「今度一緒にご飯いくとき使って」って渡されたけれど、この小ささ……財布はいらないってこと?なにを入れるのが正解?と思いながら受け取りました(横16cm、高さ8cm、iPhone6sがぴったり入るサイズ)。
結局、10年間彼とのディナーが実現されることはなかったので、どうすればいいのかわからないまま、クローゼットの住人になっています。
(30歳 C.Hさん)
初めて社会人になる時に買った、BRIEFINGのビジネスバッグ。死んだ親父に「良い鞄を買いなさい」って言われて、少し借金してまで買ったもの。当時、そもそも家が借金を抱えてる状態で、生活も厳しかったのにさらに借金するっていう(笑)。
生地は、バリスティックナイロン。軍事用に使われるものだから、かなりタフだし防水性も高い。親父がずっとTUMIを使ってたから、じゃあBRIEFINGかなって。
今ではあまり使う場面がないけど、自分にとってのお守りみたいな存在だから、この先もずっと大事にする。
(28歳 K.Wさん)
もう30年以上前、私が小学生になるとき、お母さんが手作りしてくれたお弁当入れ。裁縫がすごく好きで、この刺繍もお手製。
手縫いで丁寧に作ってくれたから、糸がほつれることもなくて、娘が幼稚園生になった時に譲りました。 もう中学生になったけれど、未だに使ってくれています。
(37歳 M.Hさん)
四半世紀前に買った、OUTDOORのボストンバッグ。
ずっと水泳部で頑張ってきて、中学では成績も良かったんだけど、高校に上がったらもっと上手な選手が入ってきて、試合に出れなくなっちゃってさ。反抗心もあって、土日にアメフトを始めた。
部活じゃないから道具を置いておく場所がなくて、持ち運ぶためのバッグを探してたんだよね。アメリカに留学した友達がこのバッグを見つけてくれた時は、「さすがアメリカ!」って思ったよ(笑)。ヘルメット、プロテクター、シューズ、タオルまで一式入るビッグサイズ。
今でも大事に保管してる。 アメフトが好きっていうのもあるけど、水泳に挫折したって記憶も残ってて……これ捨てちゃったら、10代の青春ごと手放しちゃう気がするんだよね。
(40歳 Y.Tさん)
番外編
2008年に、当時付き合っていた韓国人の彼女からもらったお土産。見ての通り、バッグじゃなくてポーチでごめんね(笑)。
もらった時はあまり嬉しくなかったんだけど、別れてからこのポーチが手放せなくって、ずっと使ってた。お互い結婚も考えてたんだけど、結局、まだ子どもだった自分が傷つけてしまって……。
もう謝ることもできないけど、人生で一番愛した女性だった。
(30歳 S.Kさん)