日本の食卓はクリエイティブだ。書籍『「食」から考える発想のヒント』より

外国人シェフ最年少でミシュランガイドの星を獲得した松嶋啓介の近著がおもしろい。食を通した「発想のヒント」が散りばめられている。普段包丁を握らない人にこそ読んでもらいたい一冊だ。

以下、『「食」から考える発想のヒント』(実業之日本社)より、抜粋して紹介。立ち読み感覚でドーゾ!

日本人は、誰もが編集者

ご存知のように、日本の食卓には何品もの料理が並びます。夕方につくった料理だけではなく、昨日の残り物もあれば、漬物やおひたしなど、毎日の常備菜もあります。それらは、フランス料理のように一皿ずつ順番に運ばれてくることはありません。

さらに、食卓には自分専用のお箸、ご飯、味噌汁、おかずを取り分ける小皿があり、全員に開かれた料理を好きにつまみ、そのつど吟味しながら食べ進みます。

じつは、このような食事の仕方は、
日本人特有のものなんです。

口の中が脂っぽいなと思ったら、漬物やお茶でリフレッシュし、おかずの味が濃かったら、ご飯をほお張って味覚の具合を調整する。このように、日本人はいちいち口内の味覚を調整し、自分で味わいを“編集”して、そのつど工夫しながら毎日の食事をしています。

けれど、海外では順番に料理が運ばれ、出てきた順番に料理を食べ進める。テーブルの上に並んだ料理を少しずつ、あちこちつまむということはまずありません。

日本の食卓に
民主主義あり!?

日本では、食卓に並ぶいろいろな料理、野菜も肉も魚介も、食べる人間が調味料や薬味を自分で調節して、適当なタイミングで口へ運び、お箸をご飯に往復させ、吟味しながら食事をする。そんな食習慣は、前菜や主食が順番に供される、いわば独裁的なテーブルではなく、何品もの料理が民主的にならぶ、日本の食卓でこそ可能な、極めてクリエイティブな行為だと思うのです。

日本人はひとつの味を同じように、一定の条件のもとで食べているわけでありません。繊細に風味と香りを聞き、味を見て、食感に触れ、毎日の食事を豊かな経験として、身体化してきたのです。

Top photo: © iStock.com/kazoka30
Licensed material used with permission by 実業之日本社
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介。現在、ニースと東京・原宿に『KEISUKE MATSUSHIMA』を構える、オ...
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なこと。──ぼくにとって「食」とは、どんな問題も解決へと導いてくれる...
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なことーー。
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なこと。ーー子どもが食卓に並んだ料理について何か聞いてきたり、料理し...
いま、東京でもっとも勢いのあるレストランを牽引する"破廉恥"シェフ(これ、ほめ言葉です)-鳥羽 周作-小学校教諭を辞め32歳で料理の世界に飛び込み、わずか...
「Langogo」は自動翻訳機としてだけでなく、モバイルWi-Fiルーターとしても機能するんです。
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なこと。
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なことーー。味覚とは、人が味を感ずる身体的な感覚のこと。でも、実はこ...
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なことーー。第6回は、料理人が料理の味を決定するうえで、もっとも気を...
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なこと。
約5,000円から支援可能です。
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なこと。
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なこと。第5回目は「手」に注目です。
20歳で単身フランスに渡り、外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なこと。
しょっぱい出来事、甘い生活、酸っぱい青春、苦い思い出、渋い体験、辛い失敗……。人生は「旨い」ことばかりではありません。
「先週末(10月12日〜14日)、NYCでは銃撃事件がありませんでした。これは何十年も達成できていなかった目標の1つです」──ニューヨーク市警察本部長Ro...
7月の頭に、松嶋啓介さんがTABI LABOのオフィスで「ラタトゥイユ」を作る、料理教室を開いてくれました。松嶋さんのラタトゥイユから、「人生は食卓で育ま...
いつもよりちょっと「健康的な食事」を、心がけませんか?
食べるだけじゃなくて、見ることや聞くこと。その場の雰囲気を楽しむのも“美味しい食事”だと私は思う。今回紹介する「Project 52 times」は、1年...
大人になり社会へ出ると、クリエイティブ力を求められる場面が増える気がする。新しい商品開発やイベントの企画、プライベートでも結婚式の2次会やプレゼントの準備...
同じ日本と言えども、関東と関西では食文化に大きな違いがあることはご存知のとおり。食を通して異文化体験ができてしまう。では、その違いってどこにあるかちゃんと...
ぼくは、デブだった。健康な食事のことなんて考えたことがなかった。でも、どうしたら変われるのか知らなかったんだ。そして、食を学ぶことにした。これは、「食べる...
大分県では昔から、お刺身などを食べたときに残った “切り身の端っこ”をタレに漬け込んで保存する食文化がありました。ちょっと不思議な名前の料理「りゅうきゅう...
スイーツを中心に日本でも火がつき、今グルメたちの間で高い注目を集めている台湾料理。その中でも歴史と伝統のあるのが「素食」です。素食とは、台湾の精進料理のこ...