「いい塩梅」の見つけかた。書籍『「食」から考える発想のヒント』より

外国人シェフ最年少でミシュランガイドの星を獲得した松嶋啓介の近著がおもしろい。食を通した「発想のヒント」が散りばめられているこの本、普段包丁を握らない人にこそ読んでもらいたい一冊です。

以下、『「食」から考える発想のヒント』(実業之日本社)より、抜粋して紹介。立ち読み感覚でドーゾ!

塩は味の“調整役”

料理人が味を決定するうえで、もっとも気を使うのが、塩です。 

塩と味覚の組み合わせにどのような特徴があるか、簡単に例記してみると次のようになります。

塩と甘の組み合わせは甘味が引き出される
 (スイカなどに塩を振って食べる)
塩と酸は、酸味がまろやかになる。
 (漬物などの発酵食品)
塩と「苦」の組み合わせは、苦味のカドが取れる。
 (ニガウリなど野菜を塩で揉んだ場合)
塩と「渋」は、渋味が際立つ
 (ビールに合うおつまみなど)
塩と「辛」の組み合わせは、辛味が和らぐ
 (唐辛子などを炒めるときに塩をふる)

こうした特徴を見ると、塩は味の調整役であることがわかります。 ごく少量の塩が、食材全体の持つ滋味を引き出す一方、ある一定以上の塩は、料理全体の味を決定づけてしまうのです。

塩が足りないと味気がないし、塩が濃い味に慣れてしまうと味覚が鈍ってしまう。舌にある味蕾を刺激して、脳に伝達されるすべての味は、塩味を基礎としているんです。

このように、味の調整役であるはずの塩を、過剰な味付けとして脂を媒介し、常習性のある甘味とともに取りすぎてしまうと、健康が脅かされてしまう可能性もあるのです。塩を上手に使って、いい「塩梅」のさじ加減を見つけ出してください。

Top photo: © iStock.com/Wavebreakmedia
Licensed material used with permission by 実業之日本社

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